【タイガーⅠ・後期生産型】Part.18「パステルや絵具などの画材を使って、履帯・転輪の泥汚れを表現する」(タミヤ・1/48・制作記)

ウェザイング完了4
前回記事の車体のウェザリングに引き続き、履帯の泥をパステルや絵具を使って描き込んでいきたいと思います!

泥汚れの基本塗装

使用する道具

使用する道具と材料
まずは全体に泥汚れを施すための基本塗装をしていきます。
道具は下記のものを使用します。

パステル
写真のものはヌーベルのカレーパステル(NOUVEL CARRE PASTEL)です。パステル自体の固さが固すぎず柔らかすぎずで丁度よく、削って粉にしてからの使用感や乗りも非常にいいです。色数が非常に豊富で表現したいシーンに合わせた色を選ぶことができます。画材屋さんに行くと1本100円前後で購入できます。1本あれば、かなりの数の戦車のウェザリングができますので、経済性も抜群です。
アクリル塗料溶剤
模型用アクリル塗料の薄め液です。写真のもはタミヤのアクリル塗料用のものですが、クレオスの水性ホビーカラー用の薄め液でも大丈夫です。
茶こし
パステルを粉にするのに使用します。100均のキッチン用品コーナーで入手できます。紙ヤスリのように目詰まりすることが無いので、効率よくパステルを削ることができます。
荒めの紙ヤスリ
こちらもパステルを粉にするのに使用できます。茶こしがない人は紙ヤスリでパステルを削りましょう。
塗料皿
粉にしたパステルを入れておくのに使用します。
筆は細かな部分塗装用に細めの面相筆と、履帯など奥まったところにガシガシ使える用に使い古しのものを1本用意します。今回はパステルでの塗装なので、動物毛のやわらかいものよりも、ナイロン毛のコシの固い筆の方が使いやすいと思います。

塗装に使うパステルを削る

パステルを茶こしで粉にする
足回りに塗る泥の素材をつくっていきます。
まずは土の色を表現するために、焦げ茶色のパステルを茶こしで削って粉末状にしていきます。

粉にしたパステルにアクリル溶剤を入れる
焦茶だけだと、私がイメージしていた色より明るかったので、黒のパステルを半分くらい混ぜる事にしました。
削り終わったらアクリル塗料の溶剤を足して、液体状にします。
履帯や転輪全体に薄く塗り広げたいので、溶剤を多めに入れて薄めの感じに溶いておきます。

筆塗りで全体を塗装する

転輪・履帯にパステルを塗る
薄めに溶いたパステルを筆で全体に塗りたくっていきます。
奥まったところなどは筆を突っ込んで塗り残しが出ないように注意します。
全体に塗れたら、ひとまず乾燥させます。

パステルまみれの手
制作にはあんまり関係ないですが。。。
素手のまま履帯を塗りたくっていたら、手がパステルまみれになってしまいました。
作業のあとに手洗いをしましたが、爪の間のパステルを落とすのが大変だったので、転輪のような持ち手のないパーツは、使い捨てのゴム手袋をして作業した方がいいかもしれません。

フェンダー裏のパステル塗装 車体後部のパステル塗装
フェンダー裏や、車体後部の地面に近いところなどにも同じように塗って、泥はねを表現していきます。

基本の泥汚しが完了!

泥汚しが完了したタイガーI-1 泥汚しが完了したタイガーI-2 泥汚しが完了したタイガーI-3
足回りの泥汚れが一通り完了しました!
フェンダーが取れた車体側面や後部・前部の地面に近い箇所など、泥はねが多かったであろう箇所にも多めにパステルを乗せました。
砲塔など高い箇所には泥はねはそれほど届かないと思うので、砲塔にはパステルを載せていません。
これだけでも泥汚れとしては十分な気がしますが、もっと戦場で酷使された雰囲気を出したいので、次の項で違う素材を使ってもう一度泥を乗せていきたいと思います。

その他の画材を組み合わせて、より泥っぽいものをつくる

使用する材料

使用する材料
より泥っぽい粘度の高い材料を作って、履帯の隙間に塗り込んでいきます。
材料は以下のものを使用しました。

アクリルガッシュ(アクリル絵の具)
今回はブラックを基本にして、赤・黄・白などを少量ずつ混ぜて暗めの焦茶色をつくります。小学生がよく使う水彩絵の具とは違うので注意してください。画材屋さんに行くと1本110円〜150円くらいで売られています。
パステル
前項で使用したパステルと同じです。今回も茶こしで削って使用します。
ストーン・マチエール(方解石)小粒
方解石という石を細かく砕いて、荒めの砂のような状態にしたものです。通常は油彩などに混ぜて使うものですが、今回は小石感が出ることを期待して、少し混ぜてみることにしました。今回はそのままの状態で混ぜましたが、1/48では少しオーバースケールな感じがしたので、もし混ぜるならハンマー等でもう少し細かく砕いてから入れた方がいいかもしれません。1/35ならそのままでも丁度いいと思います。
ペインティングナイフ
絵の具を混ぜたり、キャンバスに絵の具を塗ったりする道具です。画材屋さんにあるものは高価なので、私は100均の絵の具コーナーで売られているものを使用しています。今回は、材料を混ぜるのに使用します。
紙コップ(小さめ)
材料を混ぜるのに使用します。紙コップなら使用後に洗浄する手間もかからず、そのまま燃えるゴミで捨てられて便利です。それほどたくさんの絵の具を混ぜる訳ではないので、スーパーの試飲コーナーなどに置いてあるような一口サイズのコップの方が使いやすいです。こちらも100均で手に入ります。

各種材料を混ぜる

材料を混ぜる
まずはアクリルガッシュ(絵の具)をイメージの色に調色していきます。
今回は暗めの焦茶色をつくりたかったので、黒の絵の具をベースに、白・赤・黄などを少量ずる足して色をつくりました。
その後、粒状感がより出るようにパステルの黒と焦茶を茶こして削って混ぜていきます。
イメージ通りの色に仕上がったら、最後にストーンマチエールを少量混ぜます。
ストーンマチエールはあくまでアクセントとして使用したいので、入れすぎないように注意しましょう。

履帯に泥を塗る
泥の材料ができたら、履帯の隙間に塗り込んでいきます。
写真だとかなりドロドロした感じですが、乾燥するとしっかりとつや消しの状態になります。

泥の乾燥後の履帯
乾燥後はこんな感じです。
塗ってる時は丁度いい色合いだと思っていたんですが、乾燥したら思ったより暗くなってしまいました。
もう少し彩度と明度が高くてもよかったかもしれません。。。


車体の泥が付きやすそうな箇所にも塗りました。
車体の下方に付いている石みたいなのが、ストーンマチエールです。
やはり1/48だと少し粒が大きい気がします。

 車体後方のフェンダーまわりなどにも泥を乗せました。

泥汚れの塗装完成
これで足回りの汚れは8割完了しました。
次回は今回泥を塗った足回りに光沢クリアーを使って雨濡れの表現を施していきます!