エアブラシのトラブル対処法!塗料の出が悪い時に確認すべき8つの原因
う〜〜〜ん。。。
ゆうなちゃん。また何かお悩みかい?
さっきからエアブラシで塗装してるんだけど、どうも塗料の出方がおかしいのよね。
これだとキレイに塗装ができないわ。
それは大変だ!!
エアブラシの調子が悪い原因はいろいろあって、それぞれ対策方法も違うから、一緒に原因を探っていこうか!
目次
ハンドピースの構造と塗料が出る仕組み
まずは原因と対策をしっかりと理解するために、ハンドピースから塗料が出る仕組みをおさらいしていくよ!
上記の図は、ハンドピースの先端を拡大した構造図です。
シングルアクションでもダブルアクションでも基本的な構造は一緒で、ハンドピースのトリガーを押すと先端から圧縮空気が押し出されて、さらにニードルを開けると負圧によって塗料カップに入れた塗料が吸い出されて、気流に乗って噴霧化する仕組みになっています。
これが通常のエアブラシの仕組みですが、どこかに不具合があると塗料の噴霧が上手くいかなくて塗装面がデコボコになったり、塗料が出なかったりなどのトラブルに繋がります。
塗料の濃度が濃すぎる
エアブラシを使いはじめたばかりの方に多い原因は、この塗料が濃すぎることが大半です。
塗料が濃すぎる=粘度が高すぎるため、ハンドピースから出た塗料が細かい霧になりきれずに大粒の状態で塗装面に乗ってしまうため塗装面がデコボコになったり、酷いときは露天のワタアメ機のように塗料が先端から糸状になって出てしまったりするので、塗料は適正に薄めるようにしましょう。
塗料の適正な薄め具合は[牛乳]くらいを意識しよう!
塗料と薄め液の比率は使用する塗料の種類や、塗料原液の溶剤の揮発具合によって変わってきますが、基本的には牛乳くらいの粘度を意識して塗料を薄めれば適正な薄め具合に調整できます。
塗料は濃すぎると先に書いたように霧が荒くなり、薄すぎると垂れやすくなったり色が乗りにくくなったりするので、毎回しっかりと適正濃度を意識して薄めるようにしましょう。
適正な塗料の粘度の目安
- 水くらい = 薄すぎる
- 牛乳くらい = 適正濃度
- 飲むヨーグルトくらい = 濃すぎ
飲むヨーグルトくらいトロッとしてると、ちょっとどころか、だいぶケインかな〜。
おっさんいつもネタが古すぎ・・・。
メタリック塗料は通常のソリッドカラーよりも少し薄めにしよう!
メタリックカラーの場合は、通常のソリッドカラーの塗料よりも塗料が詰まりやすいので、いつもより薄めに(水っぽく)すると詰まりにくくなります。
薄めに溶いたメタリック塗料はソリッドカラーのようにしっとり吹き付けてしまうと、塗装面でメタリックの粒子が垂れたり流れたりして均一にならなくなってしまいます。
塗装の際は塗料を乾かしながらふんわり乗せるよう意識しながら塗装すると均一で奇麗な塗装面になります。
それからメタリック塗料は粒子が下に沈殿しやすいから、頻繁にうがいをしてしっかり粒子を撹拌させると詰まりの防止になるよ!
エアー圧が低すぎる
エアブラシ初心者の方に次に多いのが、このエア圧が低すぎるパターン。
塗料カップから塗料を吸い出すためには、噴出口にしっかりとした負圧が掛からなければいけません。
塗料をしっかりと適正に薄めているのに塗料が出なかったり、出てもしっかりと細かな霧にならずに塗装面が均一にならない場合は、このエアー圧が低すぎることがほとんどですので、その場合はエアー圧をもっと高くしてみましょう。
適正な圧力は0.1MPa〜0.05MPaを基本に調整しよう!
エアブラシ塗装での適正圧力は、塗料の濃度、ハンドピースの口径などによって変わってきますので、一概にコレが適正圧力だ!とは言いにくいですが、ほとんどの初心者の方が使われる0.3mm口径のハンドピースの場合は0.1MPa〜0.05MPaの間で調整すれば、ほぼ問題無く吹くことができます。
基本的にはエアー圧は高ければ高いほどミストが細かくなるので、少し強めの圧にした方が塗装面はキレイになります。
ただし、エア圧が高すぎる状態で細かな部分を塗り分けようとしてハンドピースと塗装面を近づけすぎたりすると、塗料が流れてしまったりするので注意しましょう。
おいらは、通常の塗装の時には0.3mm口径のハンドピースで、だいたい0.07〜0.1MPaくらいの圧力で塗装することが多いかな。
そうなんだ〜。
でもプチコンとかの初心者さんご用達のコンプレッサーなんかは、最高圧力が0.05MPaしか無いけど大丈夫なのかしら?
0.05MPaでも、0.3mm口径以下のハンドピースを使って塗装するなら大丈夫だよ!
最大圧でももし塗料の出が悪い場合は、もう少しだけ塗料を薄めてみればしっかりと吹けるようになると思うよ!
あと0.5mmとかの大口径のハンドピースだと0.05MPaでは圧が足りなくなっちゃうから注意してね!
粘度の高い塗料・口径の大きいハンドピースを使う場合は、より高い圧力にしよう!
自動車用のウレタン塗料などの、シンナーを入れすぎると仕上りが劣化してしまうような塗料の場合、粘度が高いまま吹かなければいけません。
また、そのような塗料を吹く場合には、より口径の大きな0.5mm以上のハンドピースを使うことになりますが、そういった場合には0.1MPa以上(できれば0.15MPa以上)の高い圧力が必要になってきます。
これ以上の圧力になると性能の低いコンプレッサーですと圧が足りなくて対応できない場合があるので注意しましょう。
ノズル内が汚れている
普段の塗装の時には、ハンドピースの洗浄はツールクリーナーを使ってうがいをしたり、ニードルを抜いて拭き取ったりだけで終わらせる方が多いと思います。
しかし、その洗浄方法だけですとノズルの内部には少しずつ塗料カスやホコリが溜まっていきます。
使いはじめたばかりの頃は調子の良かったハンドピースも、1ヶ月も上記のような洗浄しかせずに酷使すればどんどん調子が悪くなってきてしまいます。
そんな時は、ハンドピース専用のクリーニングキットを使ってノズルの内部をキレイにすると新品のときの快適さを取り戻すことができます。
ノズル内も洗浄できる極細ブラシで、溜まった汚れをかき出そう!
写真はタミヤから発売されているエアブラシのクリーニングセットです。
このクリーニングセットには、ハンドピースの細いノズル内の清掃ができる極細のクリーニングブラシが付いています。
写真のようにツールクリーナーを付けたブラシでノズル内をゴシゴシすると、驚くほどの塗料カスや大きなホコリが出てきます。
おいらは最低でも1作品つくるごとに使用したハンドピースをバラしてクリーニングしているよ。
洗浄は手間がかかるけど、クリーニングし終わった後のハンドピースは使い心地が驚くほど回復するから、定期的にクリーニングをすれば常に快適に塗装作業ができるんだ。
ハンドピースも道具だから、しっかりとした日々のメンテナンスが大切ってことね!
ハンドピースの口径が小さすぎる
自動車用のウレタン塗料などの粘度の高い塗料を吹こうとした場合、ホビー用の0.3mm口径のハンドピースでは塗料が出ないため、より口径の大きい0.5mm口径以上のハンドピースやスプレーガンが必要になってきます。
また、0.3mmのハンドピースで0.4mmのラメフレークを吹き付けようとしても当然ノズル内部でラメが詰まってしまい吹く事ができません。
粘度が高い塗料や、粒の大きいメタリック塗料には大口径のハンドピースと高圧のコンプレッサーが必要
ウレタン塗料の原液など粘度が高い塗料や、模型用以外の粒子が大きいメタリック塗料などを吹くためには0.5mm以上の口径が大きいハンドピースやハンドガンが必要になってきます。
また、0.5mm以上のハンドピースで上記のような塗料をスムーズに吹く場合には最低でも0.1MPa以上(できれば0.15MPa以上)の圧が出せる高性能なコンプレッサーが必要になってきます。
これから自動車模型でウレタンを吹くためにエアブラシを導入しようとしている人は、大口径のハンドピースと高価なコンプレッサーが必要になってくるから、注意しようね!
でもそうなると初期費用が高くなっちゃうから少し迷っちゃうわね!
ニードルがしっかり奥まで押し込まれていない
エアーの吹きはじめに「プシュッ!!」と塗料が飛び散るように出る場合は、ニードルがしっかりと奥まで差し込まれていないことがほとんどです。
メンテナンスなどでニードルを抜き取って洗浄した後、ハンドピースに戻す際にしっかりと奥まで入れないと、ノズルがしっかりと閉まらずに塗料が微妙に漏れ出してしまう事が原因です。
塗料がくしゃみのように飛び散るのは、ノズルからの塗料漏れが原因
ニードルの差し込みが甘くてノズルの先端から塗料が漏れると、先端のニードルキャップ内に塗料が少しずつ溜まっていきます。
これに気づかずにエアーボタンを押してしまうと、ニードルキャップ内に溜まっていた塗料がくしゃみのように飛び散ってしまい、最悪塗装面に付着してしまうことがあります。
その後、エアーを出したまま塗装している最中はいいのですが、塗装を止めるとまたニードルキャップ内に塗料が溜まり始めるので、塗装を再開する際にまた塗料が飛び散ることになります。
メンテナンス後はしっかりとニードルが固定されているか確認しよう!
クリーニングなどの後にニードルを戻す際はしっかりと奥まで入っていることを確認するようにしましょう。
ただし、押し込む際に力を入れすぎるとニードルやノズルを傷めてしまうこともあるので注意してください。
塗装中に手を止める際は、ニードルレバーを引きっぱなしにしないように注意!
塗装をいったん止める際にエアーは止めているのに無意識でレバーを後ろに倒しっぱなしにしてしまうと、当然ニードルは開きっぱなしになっているのでカップ内から塗料が漏れ出してきます。
これに気づかず塗装を再開しようとすると、やはり塗料が飛び散ってしまうので注意しましょう。
また、シングルアクションのエアブラシの場合、手を止める際はすぐにニードルを閉めるようにしましょう。
エアーが漏れている
エアーはノズルとノズルキャップのネジ部から漏れやすい
ハンドピースのメンテナンスの際に、ツールクリーナーを使って念入りにクリーニングをすると、ネジ部分のシール剤が剥がれてしまって圧縮空気が漏れ出てしまうことがあります。
エアーが漏れやすい箇所はノズルまわりのネジ部分2箇所になります。
こうなるとしっかりとした負圧が作れなかったり塗料が逆流したりして、塗料が出なくなってしまうことがあります。
ノズルキャップのネジ部から外側にエアーが漏れると、肝心のノズル先端の圧力が下がってしまい塗料が上手く出なくなります。
ノズルのネジ部から内側にエアーが漏れるとノズル内にエアーが逆流してうがいをしているのと同じ状況になります。
内側の空気漏れはカップ内の塗料からブクブク空気が上がってくるのですぐにわかります。
メンテナンスの際はネジ部分にシール剤をしっかり塗る!
ハンドピースのメンテナンスの際には、仕上げにネジ部分に専用のノズルシール剤をしっかりと塗っておくとエアー漏れを防ぐことができます。
写真はタミヤのエアーブラシ用クリーニングセットに付属しているシール剤ですが、メンテナンスの際に爪楊枝でひと塗りしておくと、しっかりとエアーの逆流を防いでくれるのでおすすめです。
タミヤのクリーニングセットは、シール剤、グリス、極細ブラシとメンテナンスに必要な道具が一通り揃っているので、1セット手元に置いておくとメンテナンスの時にスゴく役立つよ!
日々のメンテナンスでエアブラシのコンディションをしっかり維持することが大切ね。
ノズル・ニードルが曲がってしまっている
ハンドピースのニードルやノズルなどの先端部分は、とても繊細なつくりになっています。
ハンドピースを誤って落としてしまったり、クリーニングの際にウエスで引っ掛けてしまったりして先端を曲げてしまうと塗料がスムーズに出なくなって、ミストが荒くなってしまいます。
ハンドピースをしっかりクリーニングして塗料濃度もエアー圧もしっかり調整したのに、塗料の出方がおかしい場合はノズルかニードルが歪んでしまっている可能性があるので、先端を凝視してよく観察してみましょう。
写真ではマクロレンズでかなり拡大しているので曲がっているのがすぐにわかりますが、実際にはよく見ないとぱっと見は分からないくらいの歪みですので、しっかり観察しましょう。
おいらはニードルの拭き取りの時にキムワイプで引っ掛けちゃったみたいで、ニードルが曲がってるのに気づいてから金床の上で軽くハンマーで叩いて調整しようとしたけど何度やっても元の調子に戻せなかったから、一度曲げてしまったら基本的には修復できないと思ってもらっていいと思います。
じゃあ一度曲げちゃったらもうそのハンドピースは使えないの?
日本メーカーのものならメーカーからパーツの取り寄せができるから、説明書に記載されているカスタマーサービスに連絡してパーツを取り寄せれば直せるよ。
今回ニードルを曲げちゃったエアブラシはタミヤ製だったから、おいらは説明書を持って行きつけの模型屋さんに行ってパーツを取り寄せてもらいました!
なるほど、日本のしっかりしたメーカーのハンドピースならアフターサービスも万全で安心てことね!
水を吐き出してしまっている
塗装作業をしていて突然エアブラシがくしゃみをしたように「プシュッ!!」となる場合は、ホース内などで結露した水分がノズルから噴出している状態です。
なんの前触れもなく突然吹き出すので、塗装面に水が付いてしまい塗装面がまだらになってしまうことがあります。
雨の日などの湿度が高い日は塗装を控えるのが吉
雨の日などの湿度が高い日は、圧縮空気に含まれる水分も多くなるためホース内などでの結露が起きやすくなります。
湿度が高い日の塗装は、塗装面内に水分が混入して白っぽくなってしまう「かぶり」現象も起きやすいので、塗装作業はなるべく湿度が低い晴れの日に行なう方が得策です。
水分の噴出がほぼ無くなるエアータンク
晴れた湿度が低い日でも空気中の水分がゼロという日は無いので、長時間の塗装作業をしているとどしても水分が吹き出してきてしまうことがあります。
模型用として売られているコンプレッサーには標準装備で水抜き器という圧縮空気の水分を抜く装置が付いているものもありますが、これだけでは水分が除去しきれないことも多々あります。
どのような状況でも水分噴出の事故を無くしたい方は、別売りのエアータンクを導入されることをおすすめします。
エアータンクとはコンプレッサーで圧縮したエアーを一時的に貯蔵しておくものですが、このタンクを使用すると結露した水分はタンク内で溜まり、ハンドピースから水分がほぼ出なくなるのでとてもおすすめです。
写真はアネスト岩田のホビー用エアータンク「チビタン」だけど、こいつの水抜き効果はほんとに抜群で、梅雨時期にけっこうな長時間作業をしても一切水を吐かなくなったからスゴくおすすめだよ!
チビタンは別の記事で徹底レビューしているから、ぜひ一緒に読んでみてね!
アネスト岩田のホビー用エアタンク「チビタン」を4ヶ月使用したのでレビューします
もう少し手軽に済ませたい人には「ドレン&ダストキャッチャー」
もう少し手軽に水分の噴出を抑えたい人には、GSIクレオスのドレン&ダストキャッチャーがおすすめです。
これはハンドピースとホースの間に装着することで、圧縮空気中の水分やチリを除去してくれるという優れものです。
価格も先に紹介したタンクよりも安いので、手軽に抑えたい方にはおすすめです。
まとめ
いかがでしたか。
あなたのエアブラシトラブルは解消できたでしょうか?
一通り原因と対策も覚えたし、日々のメンテナンスも大切だってこともわかったから、これで塗装トラブルが起きても自分で対応できるようになったわ!
上記を確認してみても調子が良くならない場合はメーカー修理が必要なこともあるから、そういった場合はメーカーのカスタマーサービスや近所の模型屋さんに相談してみてね。
今回紹介した商品たち
写真 | 説明 |
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タミヤ エアーブラシ用クリーニングセット【基本説明】エアブラシ(ハンドピース)のノズル内部までキレイに洗浄できるクリーニングセット。ノズルのエアー漏れを防ぐシール剤や、可動部の動きをスムーズにするグリスもセット! 【通販リンク】 | |
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