【MP4/5B 制作記 Part.1】カウルの表面処理・基本工作(タミヤ・1/20・マクラーレンホンダ)
こんにちは! 管理人のシノです。
今回からタミヤ 1/20スケールのマクラーレン・ホンダ MP4/5Bを製作していくよ!
なんか随分古そうなキットね。
何時頃のキットなの?
箱には1990って書いてあるけど、初期ロッドではないだろうからもう少し新しいかな。
それでも20年以上前のだと思うけど。
このキットはとても人気のあるF1モデルで、近年でもキットが再販されたりしているんだ。
キットが1990年ってことは、モデルになったF1もその頃走っていた車なの?
このMP4/5Bは、1990年のF1世界選手権で走っていたマクラーレンという有名チームの車なんだ。
日本のホンダがエンジンを供給していたのと、日本でも大人気だったアイルトン・セナがドライビングしていたことで、日本でも大人気の車種だったんだ。
なんかさも当時を懐かしむような口調だけど、1990年て言ったらあんたまだ4歳でしょ。
ほとんど当時の事なんて覚えてないんじゃない?
そうなんだけど、父親がF1好きで当時の深夜中継は全てVHSで録画していたから物心ついた頃から、週末は録画したテープが擦り切れるほどF1を見ていたんだ。
当時の自分の記憶では[F1]=[セナ]=[マクラーレン]=[マルボロカラー]っていう偏った記憶しか無くて、完全にF1はマルボロカラーを運転するセナを応援するものって記憶しかないんだ。
だから当時の名ドライバーである、プロストやマンセルなんかの記憶はまったく無いんだよね。
あぁ、今でも目を瞑るとあの時のワクワクが蘇ってくるよ。
テープを再生してTRUTHが流れはじめた時のドキドキ感。そしてIn This Countryを聞きながら余韻に浸るひととき。
当時のF1 は・・・
あ〜〜〜はいはいはいはい、分かったから早く肝心の模型製作に入ってくれる。
誰もおっさんの一人語りなんて望んでないんだから。
こいつは失礼しました。。。
では、とりあえずキットの開封レビューから入っていきます。
目次
キット開封 〜 各ランナーやパーツの紹介
ランナーA
ランナーAは主にカウルなどのエクステリアのパーツ。
成形色は白なので、サフレスでお手軽仕上げというのもアリかもです。
メインのカウルが超どでかいですが、歪みがあると修正が大変そうな印象です。
ランナーB
ランナーBはホイールなどの足回りパーツです。
古いキットですが特にアーム関係の歪みなどはなさそうです。
ランナーC
ランナーCは、シャシー、エンジン、モノコックなどのパーツです。
メインのランナーは以上です。
カーモデルはパーツ数が少ないので、ゲート処理などの下処理は楽でいいですね。
その他のパーツ
その他のパーツたち。
クリアパーツはセナ用とベルガー用で形状が少し異なるようで、2種類付属しています。
白いシートは見えにくいですが、タイヤ用のGOOD YEARデカールです。
タイヤは年代の古い中古品だから白化しちゃってるけど、ちゃんと修正できるかちょっと心配です。。。
デカール
デカールはやはりマルボロマークは付属していません。
いろいろな規制があるので仕方が無いところですが、やはりココは近年のF1モデルの残念なところではありますね。
マクラーレンの代名詞であるマルボロマークは、別売りで手に入れたいところだね!
[製作開始]カウルとシャシーのかみ合わせの確認
まずはシャシーとカウルのかみ合わせを確認するために[シャシー][モノコック][エンジン][カウル]を合わせてみました。
シャシーまわりはマスキングテープで仮止めをしています。
一見良い感じに収まっているように見えますが・・・
よく見るとノーズ先端のシャシーとカウルが微妙に浮いてしまっています。
ここを無理矢理合わせると逆にカウルの後方が微妙に浮いてしまいます。
カウルの後方で合わせを修正するのは大変なので、今回はノーズ部分の歪みを矯正して修正することにしました。
[カウルの修正]モノコックとのクリアランスを確保するために、カウルの内側を削る
仮組みしてみるとモノコックの角の部分と、カウルの内側が微妙に干渉していました。
ノーズの浮きはここの干渉も影響しているようだったので、カウルの内側を削ってクリアランスを確保していきます。
まずは削る位置にアタリを付けるために、油性ペンで印を付けておきます。
カウルの内側を彫刻刀の丸刃を使って切削していきます。
削りすぎてカウルの表面に貫通してしまうと修正が大変なので、時々モノコックとのクリアランスを確認しながら、慎重に削っていきます。
カウルの内側の造形はもともと汚いので気にしない場合は彫刻刀で削りっぱなしでもいいですが、一応180番の耐水ペーパーでキレイに整面しておきました。
ドライヤーの熱でカウルを矯正する
モノコックとのクリアランスだけではカウルの浮きが修正されなかったので、今度はカウルにドライヤーで熱を当てながら歪みを矯正していきます。
テーブルに置いたドライヤーでカウルに熱風を当てながら曲げたい方向にテンションをかけて矯正していきます。
かなり高温にしないとなかなか矯正できないため、火傷防止のために革手袋をしながら作業します。
軍手だとプラスチックを掴んだ時にスベるし、断熱性も悪いからホームセンターで溶接作業などで使える革手袋をして作業をすると、火傷もしないし滑らないから快適に作業ができるよ!
それから高温なものを扱うから、可燃性の溶剤や塗料を近くに置かないように気をつけてね!
ドライヤーでノーズが下がる方向に矯正したら、なんとかシャシーにぴったりはまるように修正できました。
F1モデルのカウルは少しの誤差でも残すと、塗装後にカウルがハマらなくなったりするので、仮組みの時点でしっかりと修正しておくことが大切です。
前回製作したB192ではカウルの下処理が甘すぎてリアカウルが浮いてきれいに収まらなくなっちゃったから、今回はそれを教訓にしっかりと下処理をしたつもりです。
カーモデルの下処理って結構難しいのね。。。
カウルのパーティングライン処理
今回製作につかっているキットは古いキットのためか写真のようなバリやパーティングラインがけっこう出ています。
こういった箇所は組み立て前の段階でしっかりと削り取って成形しておきます。
大きめのパーティングラインはデザインナイフでカンナがけをして、しっかりと削り取っておきます。
デザインナイフで削ったら800番のペーパーを当てて軽く整えておきましょう。
カウル自体の表面処理は最後の工程でしっかり行なうので、この段階では軽く仕上げておく程度で大丈夫です。
カウル全体に800番のペーパーを当てて、ヒケを確認する
カウル全体に800番のペーパーを軽く当ててみて、修正が必要なヒケが無いか確認しておきます。
ヒケている箇所は、そこだけペーパーが当たらないので全体を軽くペーパーがけをするとこでヒケの箇所を確認することができます。
今回のカウルにはパテ盛りなどが必要なヒケは無かったので作業が楽でした。
カウルの別パーツの組み立てと成形
カウルは成形の都合上一部が別パーツになっているので、ここで接着しておきます。
パーツはゲート処理やパーティングラインなどの基本処理をしてから模型用のポリスチレン用接着剤で接着していきます。
この時、この後の合わせ目処理の事を考慮して、合わせ目の部分に少し多めに接着剤を乗せておきます。
カウルの別パーツですが、パーツの噛み合いがいまいちで、安易にそのまま接着してしまうとカウルの表面に段差ができてしまい、乾燥後の修正作業が大変になってしまいます。
そのため、パーツが固定されてしまう前になるべくパーツの表面同士がツライチになるようにしっかりと微調整をしておきます。
パーツの表面同士がしっかりとツライチになったら2日ほど乾燥させます。
カウルパーツの合わせ目消し
場所にあった素材を合わせ目に盛りつける
前項での接着剤がしっかりと乾燥した後、それぞれの合わせ目に一度#400のペーパーをかけて表面出しをしましたが、やはり接着剤のみでは合わせ目を消し切るのは難しいので、パテと瞬間接着剤を使って合わせ目を消していきます。
後方の合わせ目をラッカーパテで処理する
後方(写真右)の合わせ目は、隙間も少なくパテを盛る前に#400で面の合わせも完了していたので、ラッカーパテを#400〜#1000のペーパーで優しく削っていき合わせ目処理をすることにしました。
ラッカーパテは乾燥に時間がかかるため、盛りつけたらまた2日ほど寝かせます。
ラッカーパテを盛る際には、他のパーツのダボにもついでに盛っておく
キットの他のパーツには多数の押出しピン痕があります。写真はノーズ部分の裏側ですが、他にもシャシーや翼端板の内側など探すと至る所に押出しピン痕があるので、この時についでに盛りつけておくと後の作業時に乾燥を待たなくて済むので、ここでついでに盛りつけておきましょう。
乾燥後、ペーパーをかけて面を出す
パテがしっかりと乾燥したらペーパーをかけてパテの部分の平面を出していきます。
ペーパーがけのコツとしては以下の通りです。
- 400番で大まかに削ります。この時、一気に面を出そうとして削りすぎるとペーパーの切削力が強すぎて溝に入ったパテを削り出してしまい、結局合わせ目が消せなくなってしまうので、まだパテが少しこんもり残っている状態までに留めておきます。
あと、絶対に力は入れないように!撫でるようにしてペーパーの切削力で自然に削れていくように作業します。
それからペーパーは合わせ目に対して垂直方向に動かすこと!(写真で言うと左右に動かす)合わせ目と同じ方向に動かすと軟らかい合わせ目内のパテが削れてしまい、合わせ目が出てきてしまいます。 - 600番で優しく削っていきます。
ここでも400番同様に絶対に力は入れないように左右に優しくペーパーを往復させてパテを削っていきます。
600番だとペーパーの切削力はまだ強めの方なので、ここでもまだ合わせ目上のパテが少し残っているくらいに留めておきます。 - 800番で更に優しくナデナデしていきます。
ここからは600番の時以上に力を抜いて、根気よく合わせ目を撫でるように削っていきます。
この800番の段階でほぼ面がツライチになるようにします。 - 最後に1000番で仕上げます。
力を入れずに広めの範囲をスリスリして800番のキズがキレイに消えるようにします。
これ以降、こだわる場合は1200番・1500番のペーパーを同じようにかけます。
ただ、サーフェイサーをかける場合には1000番までかければ十分だと思います。
1000番のペーパーをかけ終わった状態がこちら。
手で触った感じは平面になっていますが、しっかり整形できているかは後でサーフェイサーを吹いて確認します。
前方合わせ目の欠けを瞬間接着剤で修正
前方の合わせ目は接着の際に模型用接着剤を多めに盛りつけておいたので、乾燥後にかけた400番のペーパーでほぼ合わせ目が消せましたが、写真のように角の部分が少し欠けたような状態になっています。
ここはしっかりと角を出しながら整形したい箇所ですが、ラッカーパテで成形しようとするとパテが柔らかすぎて#400のペーパーでの角出しが難しそうだったので、ある程度固さのある瞬間接着剤を使うことにしました。
ゼリー状とサラサラタイプの瞬間接着剤を混ぜて補填するのに丁度良い固さにしてから盛りつけ、最後に瞬間硬化スプレーを一吹きて固めます。
角を出さなければいけない修正箇所は、粗目の番手のペーパーでしっかり整形する
先の項目で紹介したラッカーパテでの合わせ目消しの際は、隙間の柔らかなラッカーパテをかき出してしまわないように、400番などの粗目のペーパーは最初の荒削りで少ししか使用しませんでしたが、今回のような角をきっちり尖らせなければいけない箇所は400番でキッチリ角が整形できるまでペーパーがけをします。
ガンプラなんかでエッジを出す作業などでもそうですが、角を立たせたい場合は320番や400番あたりの粗目のペーパーでしっかりと角を尖らせて、仕上げに600番以降のペーパーで400番で付いたペーパーキズを消すようにすると、しっかりと角の尖った整形ができます。
逆に600番や800番でダラダラ削っていくと、角が丸くなってしまいダルい印象になってしまうので注意しましょう。
一応見た目では整形が完了しました。
しっかりと整形できているかは、後にサーフェイサーを吹いた際に確認していきます。
押出しピン痕をパテ埋めする
フロントウィングの裏側には無数の押出しピン痕があります。
ここは深さが浅いのでラッカーパテを薄塗りして2日ほど乾燥させたあと、#400〜#800のペーパーで仕上げます。
この時ついでにリヤウィングや翼端板などにある押出しピン痕にもパテを盛って処理しておきます。
フロントウィングとリヤウィングの裏側に謎の深い穴が・・・
通常の押出しピン痕はラッカーパテで仕上げましたが、フロントウィングとリヤウィングの裏に謎のやたら深い穴があいています。
こちらはリヤウィング裏。ここにもやはり大きく深い穴があります。
これだけ深い穴だとラッカーパテでは乾燥に時間がかかってしまうので、この穴はポリパテで埋めることにします。
まずはポリパテを穴に補填して硬化まで1時間ほど待ちます。
今回はWAVEのモリモリを使っています。
パテが硬化したら、カウルの合わせ目処理の時と同じ手順で#400〜#800のペーパーで仕上げます。
押出しピン痕処理完了!
全てのパーツに#400〜#800のペーパーを当てたら、押出しピン痕の処理は完了です。
しっかりと整形できているかはぱっと見では分からないので、ここも後でサーフェイサーを塗装して最終確認することにします。
溝が浅くなってしまったスジを彫り直す
表面処理の際に#800〜#1000のペーパーを念入りにかけたために、ノーズの分割ラインが浅くなってしまい、このままだと後のスミ入れが上手くいかなそうだったので、ここは新たにスジを彫り直すことにします。
スジ彫りに使用する道具
スジ彫り作業には、スジ彫り堂のBMCタガネ-0.15mmとスジ彫り用ガイドテープを使用します。
ノーズ部分の分割線はネット画像で調べた実車だとかなりぴったりとくっついているので、スジを彫る際はなるべく細めのスジにした方がいいと思います。
私の手元にある一番細いスジ彫りツールは0.15mmだったので、今回は0.15mmで彫っていきます。
元のスジに合わせてガイドテープを貼り、スジを彫る
元のスジに沿ってガイドテープを慎重に貼り付けタガネでゆっくりとスジを彫り直していきます。
最初はスジがズレやすいので、力を入れずに慎重にアタリをつけながら彫り進めていきます。
今回の山なり形状のパーツは、図のように山の内側から外側に向かって交互に彫っていくとスジもズレにくくキレイに彫る事ができます。
キリッとしたスジが復活!
これでしっかりとした分割線が復活しました。
もともとの凹モールドが少しダルい形状だったので、0.15mmで彫り直したことで結果的により緻密なスジに修正することができました!
全ての下処理が完了したら、仕上げに1000番のペーパーとスポンジヤスリで表面の仕上げへ
これで一通りの下処理が完了したので、仕上げに全体に満遍なく#1000のペーパーを当てて#800のペーパーキズを消して仕上げていきます。
曲面部分はスポンジヤスリを使うのがコツ
流線型の箇所には紙タイプのペーパーではなく、スポンジヤスリを使うと曲面に満遍なく均一に圧がかかるので、キレイに表面処理をすることができます。
今回は3Mの#1200のスポンジヤスリを使って仕上げました。
ここでのペーパーがけは仕上げの大事な箇所だから絶対に力は入れないようにね!
それはもう女性を扱うがごとく、優しいタッチで全体をスリスリしてあげてください!
あんたがそういうこと言うと、マジでセクハラにしか聞こえないから、ホントやめたほうがいいわよ。。。
カウルの下処理完了!
これで一通りの下処理作業が完了しました!
全ての箇所が完全に整形できているかまだわかりませんが、そのあたりは次回サーフェイサーを吹いて確認作業をしていきたいと思います。
ほんとうはサーフェイサーでの整形確認まで含めてこの記事でまとめたかったんだけど、思いの外記事が長くなって画像も多くなっちゃったので、サーフェイサーの作業については次回の記事にまわします。
次の記事では、サーフェイサーで仕上りを確認して、仕上げの修正をしていきますので、ぜひ一緒に読んでみてね!
【MP4/5B 制作記 Part.2】カウルのサーフェイサーによる下地塗装 〜 ラッカーパテを使った修正