プラモデル用塗料の溶剤(薄め液・シンナー)について解説(ラッカー・アクリル・エナメル)

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模型用塗料を薄めるために売られている溶剤(シンナー・薄め液)。
各メーカーからいろいろな溶剤が販売されていますが、塗装初心者の方は種類が多すぎて「どれを買えばいいのか?」「どれが混ぜてOKなのか?」迷われてしまう方も多いと思います。
そこで今回は塗料の種類を復習しながら、どの溶剤を使えばよいのか溶剤の基礎知識を交えて解説していきます。

溶剤を選ぶ際に絶対に守るべき約束事

溶剤の色々なパッケージ

塗料の薄め液って、こんなにたくさん種類があるのね!
でも、どの薄め液をどの塗料に使えるのかしら?

塗料と薄め液にはそれぞれ種類があって、それぞれ対応した薄め液を使う必要があるんだ。
それじゃあ、一緒に種類を確認していこう!

塗料の種類ってなに?

塗料全種
模型用塗料は、[ラッカー塗料][アクリル塗料][エナメル塗料]の3種類に分類されます。
溶剤を選ぶ際にはラッカー塗料にはラッカー溶剤アクリル塗料にはアクリル溶剤エナメル塗料にはエナメル溶剤、といったようにそれぞれの種類に対応した溶剤を使用する必要があります。
これを守らずにラッカー塗料にアクリル溶剤を使ったり、アクリル塗料にエナメル溶剤を使ったりすると、塗料がダマになったり上手に混ざらなかったりなどの弊害が出てしまうので、種類の違う溶剤を混ぜることは基本的にできません。
(※アクリル塗料・エナメル塗料にラッカー溶剤を混ぜるなどの特殊な使い方も一部ありますが、ここでは割愛します。)

塗料の種類が分からない人は、下記の塗料の種類について解説した記事も一緒に読んでみてね!

塗料の種類が合っていればメーカーの違う塗料と溶剤を混ぜても大丈夫なのか?

塗料と溶剤の種類が適合していれば、メーカーの違う塗料と溶剤を混ぜても大きな問題はほとんど起こりません。
GSIクレオス社のMrカラー(ラッカー塗料)にガイアノーツ社のガイアカラー薄め液(ラッカー溶剤)を使ったりしても、ほとんどの場合は問題無く塗装することができます。(絶対は保証できないので必ず塗装前に試し塗りすること!)

ただし、同じ種類の溶剤でもメーカーによってプラ材を溶かす強さや乾燥の早さなどの特性が異なり、あまりおすすめ出来ない組み合わせもあるので、それについては記事後半の各項目で詳しく説明していきます。

ラッカー溶剤の解説と紹介

ラッカー溶剤は4メーカーからそれぞれ発売されています

模型用ラッカー溶剤4種類
ラッカー溶剤は下記の4メーカーから発売されています。

  • GSIクレオス「Mr.カラー薄め液」
  • ガイアノーツ「ガイアカラー薄め液」
  • オートモデリG.T「ピュアシンナー」
  • タミヤ「ラッカー溶剤」

下記でそれぞれの特徴を詳しく解説していきます。

GSIクレオス「Mr.カラー薄め液」

Mr.カラー薄め液
GSIクレオスからMr.カラー用として発売されているラッカー溶剤です。
ほとんどの模型店で置いてあるので入手性が非常に高く、容量も[50ml][110ml][250ml][400ml]と4種も用意されているので、あなたの使用量にあわせてチョイスすることができます。
容量が大きいものの方が単価が安いので、たくさん使いたい方は写真の特大(400ml)のサイズがおすすめです。

Mr.カラーレベリングうすめ液
ラベルの色が黄色い商品が一緒に並んでいますが、こちらは乾燥の時間が遅くなるように調整された「レベリングうすめ液」というラッカー溶剤です。
パッケージに「エアーブラシ専用」と記載されていますが、筆塗りでも問題無く使用できます。
塗料の乾燥を遅くすると、塗装した際に塗装面がしっとりして表面張力が働きやすくなり塗装面が平滑になりやすくなります。
特に光沢塗料で使用すると光沢感がアップし、より美しい光沢面をつくりあげることができます。
夏場など気温が高くて乾燥が早くなりすぎてしまう時期はもちろん、空気が乾燥する冬場でもこちらの薄め液を使った方が仕上りがキレイになるので、私は1年を通してこちらのレベリング薄め液の方が出番が多いです。
筆塗りの際には乾燥が遅くなることで筆ムラが出にくくなるので、筆塗りユーザーの方にもおすすめの溶剤です。

Mr.薄め液の互換表

タミヤカラー ラッカー塗料
大きな問題は起きにくいですが、塗料の性質が少し異なるためおすすめはできません。
Mr.カラー
Mrカラー用の薄め液なので、Mrカラーは問題無く希釈できます。
ガイアカラー
ガイアカラーはMr.カラーとの互換性が高いので、問題無く希釈できます。
フィニッシャーズカラー
大きな問題は起きにくいですが、塗料の性質が少し異なるためおすすめはできません。

Mr.カラーの薄め液をガイアカラーの塗料に問題無く使えるのには理由があります。
Mrカラーの製造は「藤倉化成」という会社で製造されていますが、実は塗料としては後発のガイアカラーも同じ藤倉化成さんで製造されています。
要はOEM製品ということですね。
なのでMrカラーとガイアカラーは塗料の特性がほぼ同じなので、この2社の製品はとても互換性が高く、ガイアカラーにMrカラー用の薄め液を使用しても問題無く塗装することができます。

Mrカラー用の薄め液は全部で3種販売されています。
ここで紹介しきれない詳しい解説を別記事で紹介しているので、ぜひ下記の記事も一緒に読んでみてね!

ガイアノーツ「ガイアカラー薄め液」

ガイアカラー薄め液
ガイアノーツから発売されているガイアカラー用のラッカー薄め液です。
ガイアカラーの取扱いがある模型店でしかほとんど置いていないので、田舎だとちょっと入手性が悪いです。
ガイアカラーの製品は、先のMr.うすめ液の項でも説明した通り、製造元がMrカラーうすめ液と同じ「藤倉化成」なので品質にほとんど差がなく、この溶剤でガイアカラーとMr.カラーを問題無く薄めることができます。
また、写真のように1000mlと超大容量のものが販売されており、Mr.カラー薄め液の400mlよりも単価が安いので、大量に消費する方はこちらの溶剤の方がコスパがいいです。

ガイアカラー薄め液の互換表

タミヤカラー ラッカー塗料
大きな問題は起きにくいですが、塗料の性質が少し異なるためおすすめはできません。
Mr.カラー
Mr.カラーはガイアカラーとの互換性が高いので、問題無く希釈できます。
ガイアカラー
ガイアカラー用の薄め液なので、問題無く希釈できます。
フィニッシャーズカラー
大きな問題は起きにくいですが、塗料の性質が少し異なるためおすすめはできません。

ガイアカラーの薄め液はなんと5種(+リターダー1種)もの種類が発売されています!
塗装目的に応じて使い分ければより高度な塗装ができるので、ぜひ下記の解説記事も一緒に読んでみてね!

オートモデリG.T「ピュアシンナー」

フィニッシャーズ-ピュアシンナー
高価で品質の高いフィニッシャーズカラー用のラッカー溶剤です。
この溶剤は他社の製品に比べて有機溶剤が強力でプラスチックを溶かす力が強いです。
上記の理由から、プラスチック地にべっとり溶剤がのってしまう筆塗りには不向きです。基本的にはエアブラシ専用溶剤と考えてよいと思います。
乾燥は非常に早く、エアブラシで塗装した際はプラスチックが溶けてしまう前にしっかり揮発しますので、安心して塗装できます。
塗料の価格とともに、このピュアシンナーも他社の溶剤に比べるとかなり高価です。
写真の250mlで約700円ほどですが、これは1000mlで約1,500円のガイアカラー薄め液と比べると単価で約2倍近いです。
フィニッシャーズカラーは他社の塗料と比べて少し高価で、その分粒子の細かさや塗装時の平滑性に優れています。このフィニッシャーズの長所を最大限に引き出すために、フィニッシャーズカラーはこの専用の「ピュアシンナー」で必ず薄めましょう。
他社の溶剤で薄められないこともありませんが、せっかくの高品質な塗料の性能を発揮しきれないのでは本末転倒ですからね。

ピュアシンナーの互換表

タミヤカラー ラッカー塗料
光沢塗料に使用することで、より平滑な仕上りを期待できます。
Mr.カラー
光沢塗料に使用することで、より平滑な仕上りを期待できます。
ガイアカラー
光沢塗料に使用することで、より平滑な仕上りを期待できます。
フィニッシャーズカラー
フィニッシャーズカラー用の薄め液なので、問題無く希釈できます。

フィニッシャーズのピュアシンナーは溶剤成分が強いせいか、塗料を均一に撹拌する能力に優れているようで、フィニッシャーズ以外の塗料に使用してもキレイな仕上りになる事が多いです。
価格が高いのであまりドバドバ使えないのがネックですが、光沢仕上げをより美しく仕上げたい「ここぞ!」という場面での使用がおすすめです。

タミヤ「ラッカー溶剤」

タミヤ ラッカー溶剤の互換表
タミヤから発売されている、タミヤカラーのラッカー塗料用の薄め液です。
タミヤのラッカー塗料は2017年の12月に第一弾の15色が発売されたばかりで、薄め液は250mlの小振りなサイズしかまだ発売されていません。
この溶剤自体はタミヤのラッカー塗料が発売されるずっと前から販売されており、ラッカー塗料が発売される以前は同社のラッカーパテや瓶入サーフェイサーの希釈、それから塗装道具の洗浄のために使われていました。
タミヤのラッカー塗料自体がまだまだ発展途上なので、タミヤのラッカー塗料を使う場合意外は、この溶剤を進んで選ぶ理由はまだ少ないと言えるでしょう。

タミヤ ラッカー溶剤の互換表

タミヤカラー ラッカー塗料
タミヤカラー ラッカー塗料用の薄め液なので、問題無く希釈できます。
Mr.カラー
特に問題無く希釈できます。
ガイアカラー
特に問題無く希釈できます。
フィニッシャーズカラー
フィニッシャーズカラーの品質を活かすため他社製の薄め液はおすすめできません。

アクリル溶剤の解説と紹介

アクリル溶剤は2社から発売されています

アクリル溶剤2種
アクリル塗料は、タミヤ社の「アクリル塗料」とGSIクレオス社の「水性ホビーカラー」の2種が発売されていますが、溶剤もこの2種用のものがそれぞれ発売されています。

  • タミヤ「アクリル塗料〈溶剤〉」
  • GSIクレオス「水性ホビーカラーうすめ液」

この2種はほとんどの模型店で売られているので、入手性がとてもいいです。

水性アクリル塗料はその名の通り水溶性で、売られている各溶剤も、主成分は「水+有機溶剤」になっています。
実は水性アクリルカラーは有機溶剤を使わずに水で薄めるだけでも塗装することができます。
ただし、しっかり溶剤を使用した方が塗料の伸びや乾燥性が良いので、なるべくアクリル溶剤を使用して薄めることをおすすめします。

アクリル溶剤の互換性の図
アクリル塗料についてはタミヤのアクリル塗料も、水性ホビーカラーも特性に大きな差はないので、それぞれどちらの溶剤を使用しても、ほぼ問題はありません。
使う頻度の多い塗料の方のアクリル溶剤を1種持っていれば大丈夫でしょう。

エナメル溶剤の解説と紹介

エナメル溶剤
エナメル溶剤は写真の通り、国内ではタミヤからしか発売されていませんでしたが、最近になってガイアノーツより「エナメルカラー」が発売されました。
一緒にご紹介したいのですが、この記事作成時点でまだ使用したことが無いので、近々入手して使用感や互換性をレポートしたいと思います。

ガイアカラーは取扱い模型店が少なく少し入手性が悪いですが、写真のタミヤのエナメル溶剤はほとんどの模型店で売られているので入手性が非常にいいです。

エナメル溶剤は塗料を薄める用途以外に、スミ入れ時にはみ出した塗料を拭き取ったりする際に綿棒に含ませて使用したりします。

ひとつ注意が必要なのが、エナメル溶剤はプラスチックを侵す力が非常に強いのでプラスチック地に直接付くと割れたりすることがあるので注意が必要です。

まとめ

溶剤の色々なパッケージ

薄め液は、とにかく[ラッカー用][水性アクリル用][エナメル用]の種類の違いに注意して選ぶのが大切ね!

特にラッカー塗料用の薄め液は、使う塗料によっても最適な溶剤が異なるから、なるべく自分が使用する塗料用の薄め液を使うことが大切だよ!
これから塗料を買う人は、塗料だけじゃなく薄め液選びにも注意してね!