プラモデル・模型用語集
あ行
あ
- アクリル塗料
- 水性の塗料。模型用のアクリル塗料は水性とはいえ、少量の溶剤(シンナー)やアルコールが含まれていいます。ただ、ラッカー塗料・エナメル塗料に比べれば溶剤の含有量は少ないため、臭気が少なく扱いやすいです。臭気が少ないので、子供やペットがいる家などでの使用にも適しています。また、筆についた塗料は乾燥前なら水で洗い流す事ができます。
- 後ハメ加工
- パーツを接着してから塗装した方が都合が良いのに、接着してしまうと次の組み立て工程に支障が出て組み立てられなくなってしまう場合に、部品を加工して接着後でも次の工程で組み立てられるように改造する事。主に、ガンダムなどのキャラクターモデルで、パーツの合わせ目消しをしてから塗装したい場合などに使われる手法。
- 足付け
- プラモデルのツルツルした表面にそのまま塗装すると、塗料の食いつきが悪いため、塗装前に耐水ペーパーやスポンジヤスリなどで表面を荒らして、塗料の食いつきを良くする手法。金属性のパーツなどは特に塗料の食い付きが悪いため、足付け加工してから塗装することが多い。
- 合わせ目消し
- 二つのパーツを接合した場合、接合部はスジのように見えます。このスジの部分を接着剤やパテ、ヤスリ等を使って消す手法。合わせ目消しを丁寧に処理してから塗装すると、二分割されていたパーツを1つのパーツに見せる事ができます。
い
- 隠蔽力
- 主に塗料で使われる用語です。塗装をした際に下地の色を隠す能力が高い塗料は、隠蔽力が高い塗料と言えます。一般的には明度が暗い(黒に近い)物は隠蔽力が高く、明度が明るい(白に近い)物は隠蔽力が低い傾向にあります。
同じメーカーから出ている塗料でも、一般的な塗料より隠蔽力の高さを売りにした塗料も発売されています。(Mr.カラーGX など) - インジェクションキット
- 「射出成形」で作られたキット。金型に熱で溶けたプラスチックを高圧で流し込んで成型する。一般的に売られているプラモデルのほとんどはこのインジェクションキットになります。
う
- 薄め液
- 模型用に作られている塗料は濃いめに作られています。その塗料を薄めるための専用の液体を薄め液・溶剤・シンナーといいます。模型用塗料は「ラッカー」「アクリル」「エナメル」の3種ですが、それぞれ専用の薄め液を使う必要があります。
- ウェザリング
- 英語表記は「Weathering」。意味は「風化」。
戦車や戦闘機、ガンプラなどのキャラクターモデルに「汚れ」「風化」「使用感」を表現する塗装手法。 - ウォッシング
- 英語表記は「Weathering」。意味は「風化」。
戦車や戦闘機、ガンプラなどのキャラクターモデルに「汚れ」「風化」「使用感」を表現する塗装手法。 - ウレタン塗料
- 自動車の実車にも使われている非常に強固な塗膜を成型できる塗料です。模型用の塗料はシンナーが蒸発(乾燥)することで塗料が固まりますが、ウレタン塗料は主剤と硬化剤の2液を混ぜる事で化学反応を起こす事で塗料が凝固します。
プラモデルでは色付の塗料を使用する事は少なく、クリヤーのウレタン塗料をトップコートとして使用する事が多いです。ラッカー系クリヤーよりもシンナーの含有量が少ないので、デカールを侵しにくいメリットもあります。
え
- エアーブラシ
- スプレー式の塗装道具。
コンプレッサーやエアー缶に繋いで圧縮空気を送り出し、その空気を利用してミスト化した塗料を吹く事ができます。塗料は任意で選択できるので、缶スプレーと違い、自分で調色した塗料を使用する事もできます。また、出す空気の量や、塗料の量も微調整できるので、缶スプレーより繊細な塗装作業が可能となります。
霧状に塗装を施せるので、筆塗りのようなムラを出さずに塗装することができます。 - エアーレギュレーター
- エアーコンプレッサーから出る空気の量を調節(減圧)する装置。
模型用コンプレッサーから出されるエアーはそのまま使うと圧力が高すぎるため、エアーレギュレーターを使って減圧する必要があります。
またエアブラシでの塗装では、使用する塗料の粘度や使用するハンドピースの口径によって適正な圧力が違うため、エアーレギュレータによって微調整します。
模型用のコンプレッサーを購入すると、ほとんどセットで付いてきますが、廉価なコンプレッサーだと付いていない事があるので、その場合は別売りのものを購入する必要があります。
模型用としてレギュレーターを購入する場合は、水抜き機能がセットになったレギュレーターがおすすめです。 - 液だれ
- スプレーやエアーブラシで塗装した際に、塗料の乗せすぎや、塗料の薄すぎが原因で塗料が垂れてしまった状態。
- エッチングパーツ
- ステンレスや真鍮の板でつくられた精細な金属パーツ。プラスチックでは表現できないような精細なディテールを表現することができるので、使用すると作品をより緻密に仕上げることができます。高価なキットの場合は純正パーツとして同封されている場合もありますが、一般的には別売りパーツとして入手する場合がほとんどです。接着や塗装が難しくなるため、中・上級者向きです。
- エナメル塗料
- 模型用塗料の種類の一種。臭いはラッカー系塗料より少ないので扱いやすいです。灯油のような臭いがします。塗装後(乾燥後)でも容易に拭き取る事ができますが、反面、完全乾燥後でも塗膜は非常に弱く、誤って擦ったりすると塗膜にキズが付いたり剥がれ落ちたりします。ですので、自動車のボディーなど、面積が広く、良く触れる場所には使用しないようにしましょう。面積の狭い部分の塗り分けや、ウォッシング、スミ入れなどの汚し塗装のような補助的な塗装に適しています。
- エポキシ系接着剤
- 主剤と硬化剤の2種類の液体を混ぜて化学反応で硬化させる接着剤です。塗装後のパーツを溶剤入りの接着剤で接着しようとすると、塗料が溶け出して汚くなったり、しっかり接着できなくなったりしますが、エポキシ接着剤なら塗装を溶かさず接着できる(例外もあり)ので、塗装後のパーツの組み立ての時に重宝します。また、瞬間接着剤と違い、硬化までに少し時間がかかるので、接着後に位置や角度の微調整が必要な箇所の接着に適しています。
- エポキシパテ
- 2種類の粘土のような原材料を混ぜて化学反応により硬化させるタイプのパテです。粘度が一般的な粘土に近いので、ヘラやスパチュラなどを使って緻密な造形をつくることもできます。また、硬化までの時間が約半日ほどと非常に長いので、ゆっくり作業を進めることができます。硬化後の硬度はプラスチックに非常に近く、硬化後の切削も非常にしやすいのが特徴です。
お
- 凹モールド
- 表面から一段窪んだモールドのこと。
[逆:凸モールド] - 小鹿
- 昔のタミヤ本社があった場所の地名。読み方は「おしか」
この記事を書いている2017年現在、タミヤの本社は静岡市の恩田原(おんだばら)という場所にありますが、現在の場所に移転する前は小鹿という住所に本社がありました。
製造年の古いキットには、この「小鹿」の住所が記載されていて、オークションなどでは当時物という事をアピールする目的で「小鹿タミヤ」などと表記される事があります。
小鹿の表記が入っていれば、そのキットは1980年頃より前のキットという事になり、ものによってはプレミア価格が付くことがあります。ただ制作することの念頭を置けば同じものが再販されている場合も多々あるので、そういったモデルに関してはあくまでコレクター向けの商品と言えるでしょう。
もし祖父の遺品などで古いタミヤキットをリサイクルショップで売却する際は、箱の住所を確認して、「小鹿」の住所の場合は買い叩かれないように注意しましょう。 - 押し出しピン痕
- プラモデルが生産される際に、型から剥がすのに使われる押出しピンの痕です。ほとんどのキットは完成後に目立たなくなる箇所に付けられていますが。完成後も見えてしまう箇所にある場合は、パテなどを使って修正することがあります。
か行
か
- 金型
- プラモデルの生産に使われる、金属性の型のこと。
型に熱で溶けたプラスチックを射出することで、品質が同じプラモデルを大量に生産することができます。 - かぶり
- スプレー・エアブラシで塗装した際に、湿気が原因で塗装面が白くなってしまった状態。
梅雨の時期や雨の日など、湿度が高い日にスプレーやエアブラシで塗装をすると、塗料内のシンナーが揮発する際に使われる気化熱により、塗装面や吹き付けているミスト内の空気の温度が極端に低くなることにより空気中の水分が凝固して塗装面に付着してしまいます。(冬場に窓が結露した状態に近い)
この水分によって塗料の表面や内部が荒れてしまい白く濁ってしまった状態を「かぶる」といいます。
特にクリアー塗料がかぶりが出やすいので、注意が必要です。
予防策は湿度が低い日に塗装するしかないので、雨の日などはなるべく塗装は控えましょう。 - 仮組み
- プラモデルを塗装や接着をする前に、パーツ同士を仮で合わせたり、テープ止めして仮で組み立てたりして、パーツの噛み合いや造形に問題が無いか確認する作業を「仮組み」といいます。
塗装をする際は、仮組みの段階で「接着してから塗装する」箇所と「塗装してから接着」する箇所など、スムーズに制作する手順を自分なりに考えて、本制作時に問題が起きないようにします。 - カルトグラフ
- イタリアの有名デカールメーカー。英語表記は「Cartograf」。
プラモのキットにもカルトグラフ製のデカールが同封されている場合もある。
非常に高品質なデカールなので、キットに同封されている場合は一つの売りとして「カルトグラフ社製スライドマーク付」と表記されている事が多い。 - ガレージキット
- 小規模メーカーや個人が、レジンなどを原材料に少数生産されたキットのことを「ガレージキット」と呼びます。
ほとんどが少数生産のため、大手が生産している一般的なプラモデルに比べると価格が高価ですが、大手が絶対につくらないようなマニアックなモデルが販売されていたりするので、マニア向けと言えます。
当然ながら大手のプラモデルと違い、同じモデルでも品質にばらつきがあったり、パーツの合いが悪かったりするので、その辺りを自分で修正したりする技術が必要なので、中・上級者向けといえます。 - ガンプラ
- バンダイから発売されている「ガンダムのプラモデル」を略したもの。
き
- キット
- 販売されているプラモデルのことを「キット」と呼ぶことがあります。
- キャラクターモデル
実物の物ではなく、映画、アニメ、ゲーム、漫画などに登場する架空の物や人物を模型化したキットのこと。
く
- クリアー(塗料)
- 隠蔽力がほとんどなく、塗装しても透けて見える塗料のこと。
「クリアー」と表記される場合は、無色透明の塗料を指すことが多く、この塗料を制作した模型の最後に全体に吹き付けることで、表面全体を保護したりする。(トップコートという)
色付のクリアー塗料もあり、その場合はそれぞれの色に合わせて「クリアーレッド」や「クリアーブルー」などと表記される。(例外として黒色のクリアーは「スモーク」と表記されることが多い) - クリアーパーツ
- 自動車の窓部分など、透明なプラスチックで成型されたパーツを「クリアーパーツ」と呼ぶ。
ガンプラのサーベル部分など、色が付いていても透明なものなら、これもクリアーパーツに分類される。
一般的にクリアーパーツは通常のプラスチックパーツに比べて固く出来ており、割れたるするトラブルが多いので、ランナーから切り出す時などは注意する。
また、キズが付くと取り除くのが非常に面倒なので、こちらも注意が必要。 - クレイ
- 粘土のこと。
模型の改造の際に原材料として使用したり、パーツを自作する際の型にしたり、細かなパーツを接着する際にパーツの保持に使用したりする。 - グロス
- 光沢の事。
自動車模型など、表面を光沢で仕上げる場合に「グロス仕上げ」などの使い方をする。
また、光沢塗料のことを「グロス塗料」という。 - 黒立ち上げ
- 塗装の際に下地をブラック塗料で塗装し、その上から本体の色の塗料を塗り重ねて本来の色に立ち上げていく手法のこと。
下地に使用したブラックをシャドウとして残しながら塗装することで、塗装面に立体感や重量感を表現することができる。
今では模型紙で「MAX塗り」という名前で紹介されることが多くキャラクターモデルで多用される手法となっていますが、もともとはAFVモデルの分野で昔から使用されていた手法と言われている。
け
- ケガキ(ケガキ針)
- 模型の表面に針を使って印を付けたり、線を引いたりすることを「ケガキ」という。
また、ケガキに使うための針のことを「ケガキ針」という。
パーツに穴あけ加工をする際にケガキで中心に印を付けたり、線を引いてそれをモールドとして使うこともある。 - ゲート
- パーツとランナーのつなぎ目の細い部分をゲートという。
- ゲート処理
- パーツをランナーから切り出した際にできる断面の表面を馴らしてキレイに仕上げる作業のこと。
こ
- コンパウンド
- パーツや塗装面の表面を磨く際に使う研磨剤のこと。
自動車模型の仕上げで、より光沢感を上げたいときにコンパウンドを使って磨くことがある。 - コンプレッサー
- エアーブラシで塗装する際に圧縮空気を作り出す機械のこと。
さ行
さ
- サフ
- サーフェイサーの略。下地塗料のこと。
- サーフェイサー
- 下地に使用する塗料のこと。
サーフェイサーには色々な役割があり、主な効果としては下記のような効果があります。
【1】ペーパー痕などの小キズを消して、なめらかにする
【2】ヒケなどのパーツの成型不良を見やすくする
【3】塗料の食い付きを良くする
【4】パーツに使われた原材料の色を隠す
【5】パーツの光の透過を防ぎ、重量感を出す
勘違いされることが多いですが、サーフェーサーは必要な時に使うものですので、絶対に下地に使わなければいけない訳ではありません。
例えば、自動車のエンジンパーツのようなディテールが複雑な部品をブラックで塗装する場合などは、パーツの成型をチェックする必要もないし、ブラック塗料は光も透過せず、重量感もある色ですので、サーフェーサーを吹く必要性は少ないでしょう。
し
- ジオラマ
- 制作したプラモデルを主役として、そのモデルが使われていた回りの情景を自作で立体的に表現したものをジオラマといいます。
F1モデルのまわりにピットの情景を自作したり、戦車模型のまわりにぬかるみや崩壊した建物を配置したりなど、模型を中心としてその場の情景を自由に表現することができます。 - シャドウ(シャドー)
- 影のこと。
塗装した模型の影になる部分にブラックなどの暗い塗料を吹いて陰影を表現する手法を「シャドウ吹き」と呼びます。 - 真鍮線
- 真鍮でできた針金のこと。
アンテナなど細い箇所に使用して、ディテールアップなどに使用することができます。 - シンナー
- 塗料の粘度を薄めるために使用される有機溶剤のこと。薄め液とも呼ばれる。
模型用塗料は大別すると「ラッカー」「アクリル」「エナメル」の3種ですが、それぞれ専用の薄め液を使う必要がある。
す
- 素組み
- 時代や人によって非常に定義があいまいな項目ですが、簡単に書くと
「別売りパーツを使用したり、自作で改造を施したりもせず、キットを説明書通りそのまま組み上げたもの」という感じになると思います。
定義があいまいというのは、無塗装で説明書通り組み上げたものを「素組み」という人もいれば、基本塗装だけして説明書通りに組み上げたものを「素組み」と呼ぶ人もいるからです。
また、ジャンルによっても言い方が異なったりします。
例えば、ガンプラなどは、塗装だけして仕上げたものは「素組み」。塗装を一切せずに仕上げたものは「パチ組み」と呼んだりします。
上記のように定義が非常にあいまいですので、基本的には「特別な改造などされずに、そのまま組み立てられたもの」程度の認識で問題無いと思います。 - スクラッチ(スクラッチビルド)
- キットを改造する際に、成型されたパーツを一切使わずに、パテ、プラ板、プラ棒、金属などの原材料を使用して、0からパーツを作り出すことを「パーツをスクラッチする」といいます。
また、キットが存在しないキャラクターなどを、自作で0から全て制作することを「フルスクラッチ」と呼びます。
プロの原型師に近い技術が必要ですので、上級者向けの技法と言えます。 - スケールモデル
- 実在する物や人を縮尺(スケール)に基づいて忠実に再現したものをスケールモデルといいます。
各ジャンルによって「1/35」「1/20」「1/700」などのポピュラーなスケールがあり、必ず箱に縮尺が記載されています。
ガンプラなどにも「1/100」などの縮尺が記載されていますが、こちらはアニメのなかの実在しないものが元ですので、こういったモデルは「キャラクターモデル」や「ノンスケールモデル」と呼ばれます。 - スジ彫り
- ケガキ針や専用のスジ彫りツールを使用してスジ(凹モールド)を新たに彫る作業、または彫られたスジを指して「スジ彫り」と呼びます。
- スナップフィット
- ガンプラのように接着剤を一切使用せずに組み立てられるパーツ構造のことを「スナップフィット」と呼ぶ。
また、そのようなモデルを「スナップフィットモデル」と呼ぶ。 - 砂吹き
- スプレーやエアブラシでパーツに塗装するとき、パーツ離しぎみにして塗装すると、半乾きの状態で塗料が乗るので塗装面が砂を吹いたようにつや消し状態になります。この塗装方法のことを「砂吹き」と呼びます。
ラッカークリアーをデカールを傷めないように砂吹きしたり、後の汚し塗装の汚れが付きやすくなるようにわざと砂吹きしたりする際に使います。
また、光沢塗料しか無い際に、無理矢理つや消し仕上げにしたりなどの強引な使い方もあります。 - スポンジヤスリ
- スポンジ状のものに紙ヤスリのような研磨面が付いたものです。
紙ヤスリなどに比べて表面が柔軟に変化するので、滑らかに湾曲したパーツに対して均一な圧力でペーパーをかけることができます。 - スミ入れ(墨入れ)
- パーツの凹モールドの隅や、スジ彫りに毛細管現象を利用して暗い色の塗料を流し込んでモールドを際立たせる手法。
スミと聞くと、暗い色の塗料を思い浮かべる方が多いと思いますが、元の色が暗いキャラクターモデルなどでは、逆に明るい色の塗料をスミ入れに使用してモールドを際立たせることもあります。 - スライドマーク
- 水に浸けてから模型に転写するタイプのシールのこと。「デカール」とも呼ばれる。
せ
- セミグロス
- 半光沢のこと。
半光沢のブラック塗料などは「セミグロスブラック」と表記されることが多い。
そ
Nothing…
た行
た
- ダイキャスト(ダイカスト)
- 金型に溶けた金属を射出してパーツを成型する手法。
大手が販売しているキットのなかにも、一部ダイキャスト製の金属パーツが使われていることもある。
金属製パーツは模型用塗料の食い付きが悪く、足付けやメタルプライマーの塗布などの下処理が必要なため、中級者以上向きと言える。 - 耐水ペーパー
- 紙ヤスリを耐水性にしたものです。
プラスチックのパーツを紙ヤスリで整形すると、削りかすですぐに目詰まりしてしまいますが、水を付けながら作業をすると削りかすが水で流されるため、スムーズに作業することができます。
もちろん水を付けなくても、普通の紙ヤスリのように使用できます。
模型用として売られているペーパーはほとんどが耐水ペーパーとして売られています。 - タッチアップ
- ゲートを切った時にできる白い痕や、塗装後に塗装面の一部が欠けたり、はみ出してしまった箇所などに、筆やペン塗料を使って、その箇所を簡単に隠すことをタッチアップといいます。
- ダボ(ダボ処理)
- ガンプラなどのスナップフィットモデルでパーツを結合するためにオス(凸)メス(凹)構造になった箇所のこと。
スナップフィットモデルは接着剤を使わなくても組み立てられることが売りのため、このダボが非常に強力に噛み合うように出来ていますが、そのまま仮組みしてしまうと、後でバラす時にダボが外れなくなってしまうことがあるので、ダボ穴をドリルで広げてクリアランスを確保させる作業を「ダボ処理」といいます。
ち
- チッピング
- スポンジなどに少量の塗料を含ませて、それを模型に押し当てることで塗装剥げや錆などの表現を施す手法。
戦車などのAFVモデルでよく用いられる。
つ
Nothing…
て
- ディスプレイモデル
- 飾る・展示することを目的としてつくられたキットのこと。
逆にモーターや電池などを仕込んで動かすことを目的としてつくられたキットを「モーターライズモデル」という。
古い自動車や戦車の再販キットなどを購入すると、シャシーに電池ボックスやモーターを取り付けるための構造が名残として残っていることがある。 - ディテール
- 詳細・細部の意。
模型で言うと、表面の細かなモールドのことを指す場合が多い。
細部まで精巧に作られたキットは「ディテールが良い」などの使われ方をする。 - ディテールアップ
- キットで再現されていないモールドやパーツを、自分で再現し直すことを「ディテールアップ」と言う。
- デカール
- 水に浸けてから模型に転写するタイプのシールのこと。「スライドマーク」とも呼ばれる。
- デカール軟化剤
- デカールを軟らかくする効果がある添加剤。
デカールを貼る箇所がデコボコしていたり湾曲していて、そのままだと全体を密着させることができない場合にデカールを軟化させることでキレイに密着させることができる。 - デコトラ
- トッラクモデルの分野のひとつ。デコレーショントラックの略。
元祖は菅原文太さんと愛川欽也さんが主演された「トラック野郎」という映画シリーズ。
電飾やメッキパーツ、特殊な塗装などでド派手に飾付けをしたカスタムトラックを指す。アオシマから発売されている「バリューデコトラシリーズ」などのキットなら、改造などの必要もなく、手軽にデコトラをつくることができます。 - 添加剤
- 塗料に追加で加えて使用する液体。
主なものとしては、光沢塗料をつや消しにする「つや消し添加剤」(フラットベース)。
塗料の乾燥を遅らせる「リターダー」などがある。
また、最初からリターダーなどの添加剤が混ぜられた薄め液なども存在する。(Mr.カラー/レベリングウスメ液など)
と
- 研ぎ出し
- カーモデルなどの光沢が必要とされるボディ表面をサンドペーパーやコンパウンドを使用して磨き出し、光沢感を高める手法。磨きの加減が難しいので、中・上級者向け。
- 溶きパテ
- ラッカーパテに薄め液を加えて粘度を液体状にしたもの。パーツ表面のキズなどに塗ってキズを埋めたりするのに使用する。
- トップコート
- 制作の仕上げに模型表面にクリアー塗料を塗装すること。
クリアー塗料を塗ることで、塗装面やデカールを保護する効果がある。
また、つや消しクリアーを使えば未塗装のモデルでもつや消しで仕上げることもできる。 - 凸モールド
- 表面を一段出っ張らすことで表現されたディテールのこと。(逆:凹モールド)
凹モールドはペーパーがけなどで消えてしまっても、後から道具を使って彫り直すことができるが、凸モールドは一度消してしまうと再現するのが難しいので、凸モールドがあるパーツは表面処理の際に消してしまわないように注意する。 - ドライブラシ
- 塗料を含ませた筆を一度ティッシュなどで拭取り、半乾きの状態で毛先を模型に擦り付けることで色を乗せる手法。
主にリベットなどの凸モールドの天辺に塗料が乗るので、戦車模型のリベットを際立たせたり、角にメタリック塗料でドライブラシをすることで塗装剥げなどを表現することができる。
な行
な
- 流し込み
- 毛細管現象を利用してパーツの隅に塗料を流し込んだり、パーツの合わせ目に接着剤を流し込んだりすること。
- 流し込み接着剤
- 毛細管現象を利用してパーツの合わせ目に接着剤を流し込むことを目的とした接着剤。
流し込みがしやすいように粘度はほぼ水と同じようなサラサラな状態でつくられている。
模型用接着剤はこれ以外に、樹脂が溶かし込んで粘度を高めた「樹脂入り接着剤」がある。 - 中研ぎ
塗装の途中段階で、表面を平滑にするためにペーパーやコンパウンドを使い表面を磨くこと。
表面の光沢が命のカーモデルなどでは、塗装前の下処理はもちろんですが、「下地塗装(サーフェイサー)」→「基本色塗装」→「クリアー塗装」の各工程毎に表面処理のために中磨ぎをする人もいます。
- 梨地
- スプレーやエアブラシでの塗装の際に、塗料が濃かったり、塗料の噴射口からパーツまでの距離が遠すぎたりして表面が平滑にならずにデコボコした状態で仕上がってしまうこと。
に
- 肉やせ
- パテが硬化する際に、溶剤が揮発してボリュームが減ってしまうこと。
特に溶剤成分の多いラッカーパテなどは、肉やせを考慮して少し多めにパテを盛っておく必要がある。
ぬ
Nothing…
ね
Nothing…
の
- 伸ばしランナー
- 不要なランナー部分をライターなどの火で炙って軟らかくし、引っぱり延ばすことで作った細い棒状のプラ素材。
細く延ばしてアンテナなどとして使用したりする。 - ノンスケールモデル
- ガンプラなどの実在しないものを題材にしたモデルを「ノンスケールモデル」という。
また実在するモデルでも縮尺を無視してデフォルメされたモデルは「ノンスケールモデル」に分類される。(フジミ模型のちび丸艦隊シリーズなど)
は行
は
- ハイライト
- 模型のなかで光が当たりやすい箇所に明るい塗料を乗せて明るくし、立体感を強調する手法を「ハイライトを入れる」などと表現する。
- パステル
- 画材の名称。
使用した表面が粉っぽく仕上がるので、戦車などのAFVモデルの汚し塗装(ウェザリング)などでよく使用される。 - パチ組み
- バンダイのスナップフィットモデル(ガンプラ)などを無改造・無塗装で説明書通りに組み立てるだけのお手軽仕上げのこと。
- パーツ
- プラモデルのキットに含まれている部品の総称。
- パテ
- パーツの不要な箇所の穴埋めや、改造の際に使われる補填剤のこと。
模型用パテとしては「ポリパテ」「エポキシパテ」「ラッカーパテ」「光硬化パテ」などがある。 - パーティングライン
- プラモデルの生産時に使われる金型の合わせ目にできる線状の小さなバリのこと。
最近のプラモデルは、極力パーティングラインが目立たない箇所に来るように配慮されたつくりになっていますが、どうしても目立つ箇所にある場合は、ヤスリがけなどをして取り除きます。 - バリ
- プラモデルの生産時に使われる金型の合わせ目にプラ材がはみ出して固まってしまった余分な部分の総称。
- ハンドピース
- エアブラシ塗装で塗料の噴射に使用される塗装道具。ハンドピースのことを指して「エアブラシ」と呼ぶこともある。
ひ
- 光硬化パテ
強い光を当てることで硬化するパテ。
直射日光やスタンドライトなどで1〜2分ほどで硬化させることが出来るので、乾燥や硬化を待つことなく作業を進めることができます。
しかし、プラスチック面への食い付きはいまいちなので注意。
- ヒケ(ヒケ処理)
- プラモデルの生産で熱せられたプラスチックが冷却の際に縮むことで、パーツの表面が微妙に窪んだ状態になる箇所がありますが、これをヒケと呼びます。
このヒケた箇所をパテやサンドペーパーなどで修正する作業を「ヒケ処理」といいます。
またラッカーパテなどが乾燥後に体積が少なくなってしまうことを「パテがヒケる」などと表現します。 - ピンバイス
- 棒状(ピン)のものを固定する(バイス)ための道具。
主にドリル刃やリューター用のピットを装着して、パーツに穴あけ加工などをする際に使用します。
制作解説などで「ピンバイスで穴をあける」などと表記されることがありますが、これは厳密にいえば「ドリル刃を装着したピンバイスで穴をあける」という意味になります。
ふ
- 筆ムラ
- 筆塗りの際に、塗装面に筆を走らせた痕が残ってしまった状態。
筆塗りで平滑な塗装面をつくる場合は、塗料を薄めにしたり、乾燥を遅らせるリターダーなどを添加したりする必要があります。 - プラ板
- プラスチックの板のこと。
主に模型の改造やディテールアップのための材料として使われる。
模型用としては0.2mm〜3mmの間で、様々な厚みのものが売られている。
また、表面に網目状のモールドが施されたものなど特殊な形状のものも存在する。 - プラ棒
- プラスチックでできた棒のこと。
主に模型の改造やディテールアップのための材料として使われる。
形状としては断面が正方形・長方形・三角形・六角形・L型・H型・Z型・円型・半円型・パイプ状など様々な形状があり、太さも多種多用に揃えられている。 - プラモ(プラモデル)
- プラスチックモデルの略。英語表記は「Plastic Model」。
「プラモデル」はもともとマルサン商店に商標登録されていましたが、紆余曲折の後、現在は日本プラスチックモデル工業協同組合に譲渡されていて、模型各社が自由に使用してよいことになっているようです。
へ
Nothing…
ほ
- ポリキャップ
- 主にガンプラなどのキャラクターモデルの関節部分に使われるパーツ。
関節部分でパーツ同士を保持して、同時に柔軟に動かすことができるような形状になっている。
また改造用にポリキャップやジョイントだけの商品も販売されている。 - ポリパテ
- 主剤に硬化剤を混ぜて、化学反応により硬化するタイプのパテ。
製品によりますが、1時間ほどあれば完全に硬化するので作業性がとてもいいです。硬化後はナイフやサンドペーパーなどで、簡単に切削できます。硬化前の粘度は比較的軟らかいので、粘土のように造形することはできません。基本的には硬化後に切削して造形していく使い方になります。
ま行
ま
- マークソフター
- クレオスから販売されているデカール軟化剤の商品名。
デカールに塗布することで軟らかくする効果がある。
デカールを貼る箇所がデコボコしていたり湾曲していて、そのままだと全体を密着させることができない場合にデカールを軟化させることでキレイに密着させることができる。 - マスキング
- 塗装の際に、塗料を乗せたくない箇所をマスキングテープやマスキングゾルなどを使用して隠すこと。
- マスキング・ゾル
- 液体状のマスキング剤。
マスキングテープでは密着しきれない緻密な箇所でも、液体なのでしっかりマスクすることができる。
商品によってはマスキングゾル乾燥後にナイフで切り取ることができるものもある。 - マスキングテープ
- マスキングの際に使われるテープ。
塗装面を傷めないように粘着力は弱めに出来ており、剥がしたあとの糊が残りづらくなっている。
最近は曲線を引くことができる特殊なマスキングテープなども販売されている。
み
- ミリタリー
- 戦車や装甲車、戦時中の兵器や兵士など、軍事もののジャンルを指す。
む
- 虫ピン
- 本来は、昆虫を標本箱などに止めるためのピンですが、その小ささを生かしてリベットに見立てたメタルパーツとして使用することができます。
め
- メタルパーツ
- 金属性のパーツのこと。
塗装の際は、塗料の食いつきが悪いため、足付けやメタルプライマーを使用するなどの注意が必要です。
金属地のまま使用する場合も、酸化を防ぐためにメタルプライマーを塗布する場合もあります。 - メタルプライマー
- 金属パーツに模型用塗料の食いつきを良くするために使用する下地塗料。
模型用塗料を金属パーツに直接塗ると、食いつきが悪く乾燥後に剥がれてしまう事がありますが、メタルプライマーを先に塗布することで、塗料を剥がれにくくすることができます。
も
- モーターライズモデル
- プラモデルにモーターと電池を組み込めるように設計されたキット。
古いキットを再販したものなどを購入すると電池ボックスやモーターを格納する部品が付いていたりするが、これは昔のモーターライズキットの名残である。
(例:ミニ四駆のように走行可能なカーモデル・水上航行ができる戦艦モデルなど) - モデラー
- 模型をつくる人、模型づくりを趣味とする人を「モデラー」と呼びます。
また、モデラーの中でも作品を制作して収入を得る人は「プロモデラー」と呼ばれます。(キットの制作代行・ジオラマの制作代行・模型雑誌への作例提供及び原稿の執筆・新製品の原型制作など)
モデラーに近い用語で「フィニッシャー」などの肩書きもあるようですが、どうも定義があいまいなので、ここでは割愛させていただきます。
や行
や
- ヤスリ
- パーツの表面などを削るための、表面がデコボコした道具。
- ヤスリがけ
- 金ヤスリや紙ヤスリなどを使ってパーツの表面を削る作業のこと。
ゆ
Nothing…
よ
- 溶剤
- 塗料の粘度を薄めるために使用される有機溶剤のこと。薄め液とも呼ばれる。
模型用塗料は大別すると「ラッカー」「アクリル」「エナメル」の3種ですが、それぞれ専用の溶剤を使う必要がある。 - 洋白線
- 洋白とは、銅と亜鉛、ニッケルから構成される合金で、洋白線はそれを細長く針金状にしたもの。柔軟性、屈曲加工性、及び耐食性に富み、プラモデルではディテールアップや改造に使う事ができます。
ら行
ら
- ラッカー塗料
- プラモデル用塗料の種類の一種。乾燥が早く、塗膜が強く、発色も良いのが特徴。しかし、溶剤臭が強いので換気に注意が必要です。
- ラッカーパテ
- ラッカー溶剤を含有したパテのこと。
盛りつけ後にラッカー溶剤が揮発することで硬化します。溶剤が揮発するので、その分硬化後のヒケが大きいので、盛りつける量に注意する必要がある。 - ランナー
- 模型のパーツをひとまとめにまとめるための骨組みのこと。
り
- リターダー
- 塗料の乾燥時間を遅くするための添加剤。
乾燥が遅くなると塗装面の表面張力が効きやすくなるため、表面の平滑度を高めることができる。
反面、乾燥が遅くなるため空気中のホコリが付着するリスクが高まる。 - リューター
- モーターを内蔵した切削道具。
先端に様々なピットを装着してパーツを切断したり、削ったり、磨いたりすることができる。
る
Nothing…
れ
- レジン
- 自作のパーツ制作の原材料として使用する素材。
主剤と硬化剤を混ぜることで硬化する。
硬化前は液体なので、自作でパーツの型をシリコンで制作してレジンを流し込むことで、個人でもパーツの量産が可能になる。 - レジンキット
- レジンを原料として作られたキットのこと。
小規模メーカーや個人が販売する少数生産のキットにレジンが使われることが多い。
ほとんどが少数生産のため、大手が生産している一般的なプラモデルに比べると価格が高価ですが、大手が絶対につくらないようなマニアックなモデルが販売されていたりするので、マニア向けと言えます。
当然ながら大手のプラモデルと違い、同じモデルでも品質にばらつきがあったり、パーツの合いが悪かったりするので、その辺りを自分で修正したりする技術が必要なので、中・上級者向けといえます。 - レタッチ
- 塗装面に小さなキズが付いたり、マスキングの際に塗料がはみ出したりした箇所を修正する作業のこと。
ろ
Nothing…
わ行
わ
- ワークス仕様
- カーモデルやバイクモデルで使われる言葉。
実車で、自動車メーカー・パーツメーカー・カスタムメーカーなどがレース用に仕上げたマシンを「ワークス仕様」と呼びます。
プラモデルでも、そのように作られたモデルをワークス仕様と呼びます。
元のキットがワークス使用になっているものもありますが、玄人の方になるとノーマルモデルをスクラッチしてワークス仕様にする方もいます。
A 〜 Z
- ABS樹脂
- ガンプラなどのキャラクターモデルで、関節の根元など強度が求められる箇所に使用されるパーツの材料名。
強度がある反面、塗料に使われている溶剤に弱く、塗装すると強度が落ちるとされています。
エアブラシなどでの塗装の際は砂吹きのように溶剤を揮発させながら塗装するなどの対処が必要になってきます。
筆塗りなどはどうしてもたくさんの溶剤でパーツが浸されてしまうため基本的には不可と考えておいたほうがいいです。 - AFV
- 「Armoured Fighting Vehicle」(アーマード ファイティング ビークル)の略。日本語にすると「装甲戦闘車両」。装甲化され攻撃兵器を備えた戦闘用の軍用車両のこと(戦車や装甲車など)を指す。同じミリタリーものでもジープやトラックなど装甲を持たない車両はAFVと呼ばないようです。
- C面
- パーツの角の2面を指して片方を「A面」、もう片方を「B面」と言いますが、その角を面取りすることで生まれる新たな斜めの面を「C面」いいます。
もともとは工業用語。
プラモデルでは、ナイフやヤスリでC面を作り出すことで、パーツの情報量を上げるのに使用されます。