もう迷わない! サーフェイサーの種類・役割・特徴を覚えて、使い分けられるようになろう!

瓶入りサーフェイサーの各種パッケージ

さて、パーツを切り取ってゲートもキレイに取ったから、塗装作業に入ろうかしら。
とりあえず、まずはサーフェイサーを吹いて・・・

ちょっと待ってゆうなちゃん。
そのプラモデルに本当にサーフェイサーを吹く必要あるの?

えっ? サーフェイサーって解説本やWEB上の上手な人の作例とか見てもみんな吹いてるから、塗装をする場合はとりあえず塗っておいた方がいいんじゃないの??

プラモデルの塗装を始めたばかりの人にありがちなんだけど、サーフェイサーはしっかりとした目的がある場合に吹くものであって、「なんかみんな吹いてるし」って理由だけで使うものじゃないんだ。
使う事によるメリットもあるけど、デメリットもあるから目的に応じて使い分けられるように、これから一緒に勉強していこう!

目次

サーフェイサーってなに? 使用する目的と役割

サーフェイサーの写真

サーフェイサーはパーツの表面をキレイに仕上げるための下地専用塗料

サーフェイサーは塗装の下地、つまり塗装前のパーツの表面を整えるための専用塗料です。
本塗装の前に使用することで得られる効果は主に以下のようなものがあります。

  • ペーパーなどのキズを埋めて表面を平滑にする
  • キズや合わせ目などの成形不良を見つけやすくする
  • 上塗りの塗料の食い付きをよくする
  • パーツの成形色を隠して、上塗り塗料の発色を良くしたり色味を揃えたりする
  • パーツの光の透過を防いで、重量感を出す(プラのおもちゃっぽさをなくす)

サーフェイサーは通常の模型用塗料よりも粒子が大きめになっており、それによりパーツの表面のキズを埋めたり、パーツの成形色を隠したりする機能が通常の塗料よりも高くなっています。
イメージとしてはラッカーパテを薄め液で塗料と同じくらいに薄めたような感じです。

サーフェイサー選びのコツは[番手]と[色]

一言にサーフェイサーと言っても、下記の表のように多種多様なものが沢山売られていてどれを買えばいいのか迷われてしまう方も多いと思います。

瓶タイプのサーフェイサー一覧

500番 1000番 1200番 1500番
グレー Mr.サーフェイサー500(溶きパテ・ビンタイプ)

Mr.サーフェイサー1000(ビンタイプ)
Mr.サーフェイサー1200(ビンタイプ)

Mr.フィニッシングサーフェイサー1500(ビンタイプ)

ホワイト Mr.ベースホワイト1000(ビンタイプ)
Mr.フィニッシングサーフェイサー 1500 ホワイト(ビンタイプ)

ブラック Mr.フィニッシング サーフェイサー1500ブラック(ビンタイプ)

マホガニー Mr.マホガニーサーフェイサー1000(ビンタイプ)

缶スプレータイプのサーフェイサー一覧

500番 1000番 1200番 1500番
グレー Mrサーフェイサー500スプレータイプのパッケージ
Mr.サーフェイサー500(缶スプレータイプ)
Mrサーフェイサー1000スプレータイプのパッケージ
Mr.サーフェイサー1000(缶スプレータイプ)
Mrサーフェイサー1200スプレータイプのパッケージ
Mr.サーフェイサー1200(缶スプレータイプ)
Mrフィニッシングサーフェイサー1500スプレータイプのパッケージ
Mr.フィニッシングサーフェイサー1500(缶スプレータイプ)
ホワイト Mrベースホワイト1000スプレータイプのパッケージ
Mr.ベースホワイト1000(缶スプレータイプ)
Mrフィニッシングサーフェイサー1500ホワイトスプレータイプのパッケージ
Mr.フィニッシングサーフェイサー 1500 ホワイト(缶スプレータイプ)
ブラック Mrフィニッシングサーフェイサー1500ブラックスプレータイプのパッケージ
Mr.フィニッシング サーフェイサー1500ブラック(缶スプレータイプ)
マホガニー Mrマホガニーサーフェイサー1000スプレータイプのパッケージ
Mr.マホガニーサーフェイサー1000(缶スプレータイプ)
オキサイドレッド Mrオキサイドレッド1000スプレータイプのパッケージ
Mr.オキサイドレッドサーフェイサー1000(缶スプレータイプ)

番手の違いで変わる、キズ埋め能力と平滑度

番手の違いによるサーフェイサー能力の違い
サーフェイサーに付けられている番手は紙ヤスリの番手と同じで、数字が小さい方(500の方)が粒子が大きく、数字が大きい方(1500の方)が粒子が小さく細やかになっています。
番手が荒いサーフェイサーの方が粒子が大きいためペーパーキズなどを埋める能力が高くなりますが、乾燥後の表面は少し荒くなります。
逆に番手が細かいサーフェイサーはキズ埋め能力は少し劣りますが、乾燥後の表面はより平滑なものになります。

色の違いは何のためにあるの?

サーフェイサーの色の違い
サーフェイサーの一番基本的な色はグレーになります。
これはサーフェイサーにはパーツ表面の陰影を見やすくして、ヒケや合わせ目などの整形不良を発見しやすくする目的があるためです。
中間無彩色のグレーが光に当てた時にもっとも陰影を確認しやすいため、合わせ目消しやパテ埋めによる修正を行なった際にはグレーサフを吹いて仕上りを確認するのが一般的です。

各色はそれぞれ主に下記の目的で使用されることが多いです。

グレー
サーフェイサーの最も一般的な色。陰影が見やすくパーツの整形不良を見つけやすい。
ホワイト
上塗りの塗料の発色をよくするために使用される。グレーサフよりも上塗りした塗料の発色が良くなる。
ただし、陰影が見えにくいためパーツの整形不良が見つけにくい。
ブラック
仕上りに重量感を持たせるために使用される。グレーよりも遮光性に優れ、戦車などの下地に使用すると仕上りに重量感が出る。
また、メタリック塗装の下地に使用すると金属感がより強調されて輝きが良くなる。
その他の色
[マホガニー][オキサイドレッド]→戦車模型などの下地に使用することで、仕上りに深みと重量感を表現することができる。
[ピンクサフ]→カーモデルなどでフェラーリレッドなどを使用する場合は、グレーやホワイトサフを使用するよりも発色が良くなる。
その他の色のサーフェイサーも上記のように適宜目的に応じて使用する。

ここからは目的別にどのサーフェイサーを選べばよいか紹介していくよ!

[効果1]パーツの表面のキズを埋めて、平滑な面をつくる

キズ埋めの断面図
サーフェイサーにはパテのように表面のキズを埋める効果があります。
微細な表面のキズを埋めてしまうことで、パーツの表面を簡単に平滑にすることができます。
サーフェイサーは本来、平滑な表面をつくるための塗料なので、このキズを埋めるという効果がサーフェイサー本来の最も大切な役割になります。

どれくらいのキズまで消すことができるの?

サーフェイサーにキズを埋める効果があると言っても、さすがに消せるキズの大きさには限度があります。
仕上りの目安としては、パーツへのペーパーがけで800番より細かい番手で仕上げておけば、光沢仕上げでもツヤ消し仕上げでも平滑に仕上げることができます。
600番のペーパーで仕上げたパーツは光沢仕上げだと少しキズが目立ってしまう場合が出てきます。ただ、ツヤ消しで仕上げる場合はほとんど気にならない仕上りになります。
400番のペーパーで仕上げた場合は、ツヤ消し仕上げでもキズが目立ってしまうので、光沢塗装で仕上げる場合は800番〜1000番。ツヤ消しで仕上げる場合は600番〜800番あたりのペーパーでゲートやヒケの表面処理をすると良いでしょう。

おすすめは、キズ埋めの能力が高い「Mr.サーフェイサー1000」

Mr.サーフェイサー1000
キズ埋めが目的でサーフェイサーを使用する場合はキズ埋め効果の高い1000番のサーフェイサーがおすすめです。
1500番などに比べて粒子が粗いと言っても、塗装方法さえしっかりしていればかなり平滑な表面に仕上がるので心配ありません。
特に模型製作初心者の方などは、無理して1500番のサーフェイサーを使用して結局ペーパーキズが出てしまうよりも、1000番のサーフェイサーでキッチリキズを埋めてしまった方が、最終的な仕上りが良くなることの方が多いと思います。

キズ埋め+発色を両立したい時は、1000番のホワイトサーフェイサーがおすすめ

Mr.ベースホワイト
しっかりとキズを埋めつつ上塗り塗料の発色を良くしたい場合には、1000番のホワイトサーフェイサーを使用しましょう。
これできっちりキズを埋めつつ下地を真っ白にすることができるので、上塗りする塗料をしっかりと発色させることができます。

よりキズ埋め能力の高い「Mr.サーフェイサー500」は、どちらかというとパテに近い存在

Mrサーフェイサー500
よりキズ埋めの能力が高いサーフェイサーとして「Mr.サーフェイサー500」がありますが、この500番は粒子がかなり荒く、乾燥後の表面が少し粗めになってしまいます。
また、キズ埋め能力が高いのが仇になって、パーツのモールドまで埋まってしまいダルい印象になってしまうこともあるので、通常の表面処理にはやはり1000番のサーフェイサーを使った方がいいでしょう。

Mrサーフェイサー500で塗装したフィギュア
写真はプライズ景品のフィギュアを改造しているところですが、パーツ分割を埋めたり一部パテ盛りをした後、320番のペーパーで表面を馴らしてMrサーフェイサー500で一気にキズ埋めをしたところです。
多少モールドがダルくなっても影響が少ないこういった製作物に関しては、500番のサーフェイサーで一気にキズ埋めしてしまった方が工程が短縮できるので、場面によっては重宝します。
ただし、やはりそのままだと表面が少し荒いので、ここから800番〜1000番のペーパーをかけて、最後に1200〜1500番のサーフェイサーで仕上げるのが理想です。

パテ盛りしたって、あんた夜な夜などこにパテを盛ってるのよ。。。

ゆうなちゃん、それは禁則事項です・・・。

[効果2]パーツの成形不良を見つけやすくする

サーフェイサーによる整形確認
パーツにパテ盛りをしてヒケ処理をしたり、接着剤を使って合わせ目消しなどをしたパーツは、そのままだとパーツがキレイに仕上がっているか判断しにくいです。
そういった時にサーフェイサーを吹くと表面がグレー1色になるため、陰影が見やすくなり表面の仕上りを確認しやすくなります。
また、上記のような改修をしていないパーツでも、もとからあったヒケなどの箇所が発見しやすくなります。
カーモデルのボディなど、平滑で光沢仕上げにするモデルの場合は、少しのヒケでも仕上り後に目立ってしまうので、サーフェイサーによる成形不良の確認は必須と言えるでしょう。

整形不良の確認には、陰影の見やすいグレーのサーフェイサーを使おう!

Mr.サーフェイサー1500
整形の仕上りを確認する目的でサーフェイサーを吹く場合は、必ずグレーのサーフェイサーを選びましょう。
グレーのサーフェイサーがパーツに光を当てたとき最も陰影が見やすいため、整形不良をすぐに発見することができます。
番手はキズ埋めも兼ねたい場合は1000番がベストですが、カーモデルのような光沢で平滑な仕上りにこだわる場合には、ペーパーがけを1000番以上までしっかりかけてから1500番のサーフェイサーを使った方が、より平滑な表面にすることができます。

[効果3]塗料の食い付きをよくする

サーフェイサーは通常の塗料よりもパーツへの食い付きが少し良い傾向にあります。
ただし、通常のラッカー塗料や水性アクリル塗料がプラパーツへの食い付きが別段悪い訳でもないので、通常のソリッドカラーの塗装の場合は、無理してサーフェイサーを吹く必要はないでしょう。

塗料の剥がれの恐れがある箇所には、サーフェイサーで食い付きUP!

サーフェイサーで塗料の食い付きを良くする
塗料の食い付きを目的としてサーフェイサーを使う場面としては、ガンプラの可動関節など塗料が剥がれる恐れがある箇所に使ったり、食い付きの悪いメタリック系塗料を剥がれにくくするために下地に使用したりなどで使用します。

上の写真はガンプラの内部フレームですが、塗料が剥がれないように1500番ブラックと1500番グレーのサーフェイサーを[8:2]くらいの比率で調色したものを塗料として使用しています。
通常のダークグレーの塗料を使うよりも頑丈な塗膜に仕上げることができます。
このようにサーフェイサーは下地塗装として使うだけでなく、つや消しの塗料としても活用することができます。

ガイアノーツ NAZCA メカサフ(メカニカルサーフェイサー)
実はガンプラの内部フレームに直接塗装することを目的に作られたサーフェイサーがガイアノーツから販売されています!
その名も【メカサフ】!!
メカサフは別記事で詳しくレビューしているから、ガンプラ用のサーフェイサーを探している人はぜひ一緒に読んでみてください!

[効果4]メタリック塗料の輝きをアップさせる

下地にブラックサフを使ったメタリック塗装
メタリック塗料は下地にブラックを吹くことで、輝きが強調されてより金属感が増す効果があります。
メタリックに塗装するパーツにブラックサーフェイサーを使い下地塗装をすれば、よりキレイなメタリック表現を得ることができます。

メタリック塗装の下地におすすめは「Mr.サーフェイサー1500ブラック」

Mr.フィニッシング・サーフェイサー1500 ブラック
メタリック塗装の下地には、隠蔽力が高く粒子も細かい「Mr.フィニッシング・サーフェイサー1500 ブラック」がおすすめです。
メタリック塗料はプラへの食い付きが通常の塗料よりも弱いので、下地に1枚サーフェイサーを噛ましておいた方が塗膜が剥がれにくくなります。
より強くメタリック塗料を食い付かせたい場合は、下地のブラック塗料が半乾きの時にメタリックを上塗りした方が、より強く密着するので、ブラックサーフェイサー塗装後に少し早めにメタリック塗装に入るのがおすすめです。

下地の違いによるメタリック塗装の仕上りの違い
下地にブラックサフを使ったメタリック塗装の効果は別記事で詳しく解説しているので、ぜひ一緒にご一読ください!

[効果5]上塗り塗料の発色を良くする

サーフェイサーを使用したときの発色の違い
整形色が暗いパーツに隠蔽力の弱いイエローなどの塗料をそのまま塗装してしまうと、パーツの色が影響して発色が悪くなってしまいます。
こういった時には下地にホワイトサーフェイサーを使用することで塗料本来の発色を助け、キレイな発色にすることができます。

塗料本来の発色を助ける「Mr.サーフェイサー1500ホワイト」

Mr.サーフェイサー1500ホワイト
発色を助ける目的でサーフェイサーを使用する場合は、「Mr.サーフェイサー1500ホワイト」がおすすめです。
1500番なので粒子が細かく平滑な仕上りになりますし、通常のホワイト塗料よりも整形色を隠す隠蔽力が高いため、一吹きでキレイな白下地をつくることができます。

発色+キズ埋め効果を両立するなら、「Mr.ベースホワイト1000」がおすすめ

Mr.ベースホワイト
ゲート処理などでついたペーパーキズを隠しつつ、上塗り塗料の発色を良くしたい場合は少し粒子の粗い「Mr.ベースホワイト1000」がおすすめです。
1500番よりもキズ埋め効果が高いので、ペーパーキズなどがあるパーツはこちらの方がキレイに仕上げることができます。

塗装後の発色の比較
ホワイトサーフェイサーによる下地塗装の効果は別記事で詳しく解説しているので、発色でお困りの方はぜひ一緒にご一読ください!!

[効果6]整形色の違うパーツの色味を統一する

整形色による塗料の色味の影響
もともとの整形色が違うパーツを同じ色の塗料だけで統一しようとすると、下地の整形色が影響して塗装後の色味に違いが出てしまうことがあります。
こういったトラブルを防ぐためには、一度隠蔽力の高いサーフェイサーで下地色を統一してから本塗装に入る必要があります。

ホワイトサーフェイサーを使えば、発色よく色を統一することができる

ホワイトサーフェイサーによる下地色の統一
整形色の違うパーツの色味を統一させるには、下地にホワイトのサーフェイサーを使うと色味をしっかり統一することができます。
サーフェイサーなら通常の塗料よりも隠蔽力が高いため、整形色の濃いパーツでもしっかりと色味を統一することができます。

下地色統一におすすめは「Mr.フィニッシングサーフェイサー 1500ホワイト」

Mr.サーフェイサー1500ホワイト
下地色の統一におすすめのサーフェイサーは「Mr.フィニッシングサーフェイサー 1500ホワイト」です。
粒子も細かく隠蔽力も高いので、どんな整形色のパーツでもしっかり下地を白に統一することができます。
もし、ペーパーキズなどのキズ埋めも両立したい時は、1000番相当の「Mr.ベースホワイト」を使用しましょう。

[効果7]光の透過を防止して重量感を出す

パーツの光の透過
プラモデルは材質がプラスチックのためどうしても光が透過しやすく、そのままだと軽々しい印象に見えてしまいます。
コレを防止するためには光を通しにくいサーフェイサーを下地に吹くことで、より重量感のある印象に仕上げることができます。

重量感が重要な戦車などのAFVモデルには色の暗いサーフェイサーを使う


重量感が印象を左右する戦車などのミリタリーモデルでは、ブラックやマホガニーなどの色の暗いサーフェイサーを下地に吹いてから車体色を上塗りするのが一般的な手法になっています。
写真は「Mr.マホガニーサーフェイサー1000」を使って下地塗装をした戦車模型です。

基本色塗装後の写真
車体色を上塗りするとこちらの写真のような仕上りになります。
車体の奥まったところに少し色の暗いマホガニーが残ることで重量感が強くなり、陰影も奥深い印象にすることができます。
この手法はミリタリーモデルだけでなく、ガンプラをブラックで下地塗装してからメインカラーをグラデーションで上塗りする手法など、他ジャンルの模型にも引用することができます。

重量感を出す下地塗装には「Mr.フィニッシング・サーフェイサー1500 ブラック」か「Mr.マホガニーサーフェイサー1000」がおすすめ

ブラックとマホガニーのサーフェイサー
より重量感を演出したい場合は、色味の暗いブラックかマホガニーのサーフェイサーがおすすめです。
下地の暗い色のサーフェイサーを残しつつ、車体色をグラデーションを活用して塗装すれば陰影が強くなりより重量感のある作品に仕上げることができます。

戦車の実車の錆び止め下地色を再現した「オキサイドレッドサーフェイサー」

ドイツ戦車などの錆止め塗料で使われていたオキサイドレッド色を再現したサーフェイサーです。
これを下地に使い、上塗りをわざと剥げたような塗装にすれば、実車の塗装剥がれを再現することができます。

GSIクレオスのMrサーフェイサーからは瓶入りのオキサイドレッドサーフェイサーは発売されていないため、瓶入りの場合はガイアカラーのオキサイドレッドサーフェイサーがおすすめです。

より平滑できれいな下地を作るためのコツ

サーフェイサー塗装は「よりキレイな下地をつくるため」の工程なので、塗装の際にはよりキレイで平滑な塗装面になるように注意しながら塗装する必要があります。
サーフェイサーを使ってより平滑な塗装面をつくるためには、使用する薄め液と塗装の際のコツが重要になってきます。
ここからは、よりキレイな下地をつくるためのコツを解説していきます。

見出しイメージ
サーフェイサーは模型用塗料の種類で言うと[ラッカー塗料]に分類されますが、この塗料の種類がわからない人は塗料の種類の解説をした別の記事を読んでみてね!
【塗料】プラモデル・模型用塗料の種類と特徴を解説!(ラッカー・アクリル・エナメル)

より平滑な塗装面を得るためには、乾燥の遅いレベリング薄め液を使おう!

サーフェイサーは模型用塗料の種類で分類するとラッカー系塗料になります。
ラッカー系の塗料は乾燥が非常に早いという特徴がありますが、そのせいで手早く塗装しないと表面がザラザラになってしまうという弊害があります。
塗料というのは乾燥が遅い方が表面張力が働きやすくなり、表面が平滑に仕上がるのでサーフェイサーも乾燥を少し遅らせながら全体をしっとりとなるように吹き付けるのが、より平滑な表面に仕上げるためには大切です。

なるほど。乾燥を遅めにすると塗料が平滑になりやすいんだね。
でも乾燥を遅くするにはどうすればいいんだろう?

Mr.カラーレベリングうすめ液
塗装の際に乾燥を遅くするには、通常の薄め液よりも乾燥時間が遅くなる「レベリング薄め液」というラッカー用薄め液を使うのがおすすめです。
この薄め液には乾燥を遅らせるためのリターダーが添加されており、この薄め液でサーフェイサーを希釈すれば、より平滑で奇麗な塗装面を得ることができます。

希釈率はサーフェイサー[1]に対して、レベリング薄め液[2]くらいの薄め具合がおすすめです。
これより濃いと塗料の濃度が高すぎて塗装面がデコボコになりやすくなり、薄すぎると色が乗りにくくて垂れやすくなってしまうので、しっかり適正な希釈率で塗装するようにしましょう。

塗装の際には表面がしっとりするように塗料を乗せるようにしよう!

スプレー塗装でもエアブラシ塗装でも、初心者の方は塗料が垂れるのが恐くて塗装を薄吹きにしてしまう傾向があります。
薄吹きでも何度か塗料を乗せればしっかりと色は付いてきますが、これだと塗装面が半乾きの状態で塗料を乗せていくことになり、塗料が塗装面で平滑になる前に乾燥してしまいます。
より平滑な塗装面にするためには、塗料を吹いた直後は塗装面がツヤツヤになるくらいに塗料を乗せないと表面張力が働かないので、怖がらずにしっとりするまで塗料を乗せることが大切です。

でもやっぱり塗料を乗せすぎちゃうと垂れちゃったりするから、けっこう調整が難しいのよね。。。

こればかりは実際に塗装して慣れるしかないから、初めての人は要らないプラスチックゴミとかで一度塗装練習をしてから本番に入った方が安心だね!

サーフェイサーは使わないとだめなの? 使用することによるデメリット

最初に少し触れたけど、サーフェイサーは目的があって吹くものであって何でもかんでも吹けばいいってものでもないんだ!
逆に吹くことで仕上りが悪くなってしまうパターンもあるから、それらの注意点も解説していくよ!

細かなモールドが埋まってしまい、ダルい印象になってしまう

サーフェイサーにより埋まってしまったモールド

模型づくりの解説書やWEB上のいろいろな制作記を見ていると、本塗装の前にサーフェイサーを吹いている作例が多いため、初心者の方は目的も分からずとりあえずサーフェイサーを吹こうとする方が多いですが、先に紹介した項目の目的がひとつも当てはまらない場面ではサーフェイサーを吹く必要はありません。

サーフェイサーは下地塗装なので、サーフェイサーを吹かない場合に比べて塗膜が厚くなってしまいます。
緻密なディテールが潰れてしまったり、エッジが丸くなってダルくなってしまったりすることがあるので、造形の細かなパーツはサーフェイサーを吹かずに仕上げた方がシャープに仕上がります。

戦艦模型
写真の戦艦模型はサーフェイサーを一切使用せずに基本色の塗装のみで仕上げてあります。
スケールの小さい船舶模型などはその緻密さを損なわないためにサーフェイサーを使わずに塗装することが多いです。
直接塗料を乗せることで塗膜を薄くすることができ、緻密さを損なわずに仕上げることができます。

軽やかな印象にしたい場合は、サーフェイサーを使わない方がいい

羽
サーフェイサーは光の透過を防いで重量感を出せると解説しましたが、逆に軽やかで透明感のある印象に作品を仕上げたい場合はサーフェイサーを吹かない方が良い結果になるでしょう。
ガンプラで例えると、ウイングガンダムゼロの羽の部分や、キュベレイなどを軽やかな印象で仕上げたい場合には、サフレスで仕上げた方がより軽やかな印象に仕上げることができるでしょう。

まとめ

瓶入りサーフェイサーの各種パッケージ

長い記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
サーフェイサーの使いどころや、種類の違いによる特色は覚えられたかな?

少し覚えるのが大変だけど、仕上げたい作品のイメージや工程の目的に合わせてチョイスすることで作品の幅が広がるから、しっかりと使い分けられるようにがんばらなくちゃね!

500番 1000番 1200番 1500番
グレー Mr.サーフェイサー500(溶きパテ・ビンタイプ)

Mr.サーフェイサー1000(ビンタイプ)
Mr.サーフェイサー1200(ビンタイプ)

Mr.フィニッシングサーフェイサー1500(ビンタイプ)

ホワイト Mr.ベースホワイト1000(ビンタイプ)
Mr.フィニッシングサーフェイサー 1500 ホワイト(ビンタイプ)

ブラック Mr.フィニッシング サーフェイサー1500ブラック(ビンタイプ)

マホガニー Mr.マホガニーサーフェイサー1000(ビンタイプ)

500番 1000番 1200番 1500番
グレー Mrサーフェイサー500スプレータイプのパッケージ
Mr.サーフェイサー500(缶スプレータイプ)
Mrサーフェイサー1000スプレータイプのパッケージ
Mr.サーフェイサー1000(缶スプレータイプ)
Mrサーフェイサー1200スプレータイプのパッケージ
Mr.サーフェイサー1200(缶スプレータイプ)
Mrフィニッシングサーフェイサー1500スプレータイプのパッケージ
Mr.フィニッシングサーフェイサー1500(缶スプレータイプ)
ホワイト Mrベースホワイト1000スプレータイプのパッケージ
Mr.ベースホワイト1000(缶スプレータイプ)
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Mr.フィニッシングサーフェイサー 1500 ホワイト(缶スプレータイプ)
ブラック Mrフィニッシングサーフェイサー1500ブラックスプレータイプのパッケージ
Mr.フィニッシング サーフェイサー1500ブラック(缶スプレータイプ)
マホガニー Mrマホガニーサーフェイサー1000スプレータイプのパッケージ
Mr.マホガニーサーフェイサー1000(缶スプレータイプ)
オキサイドレッド Mrオキサイドレッド1000スプレータイプのパッケージ
Mr.オキサイドレッドサーフェイサー1000(缶スプレータイプ)