プラモデル制作で使用するデザインナイフ・カッターナイフの解説
模型の工作過程で欠かすことのできない道具のひとつであるナイフ類。
パーツの下処理時には「切る」「削る」という場面が山ほど出てきますので、ナイフ類は初心者でも玄人でも必ず必要になってきます。
目次
デザインナイフ・カッターナイフの使用場面
デザインナイフ・カッターナイフは下記のような場面で使用します。
- ゲートの処理
- 細かなパーツのゲート切断
- パーティングラインやバリの処理
- 合わせ目の処理
- マスキングテープやデカールのカット
- パテなどの削り出し
特にゲートをニッパーで切断した後を削ってキレイにするゲート処理や、パーティングラインやバリなどの余分なプラスチックのはみ出しを削る処理などは、どのジャンルのプラモデル制作でも必ずある工程ですので、ナイフ類の工具は1本必ず用意しておきましょう。
デザインナイフの良いところ
模型制作で使用するナイフ類は主にカッターナイフとデザインナイフの2種類になりますが、私がおすすすめするのはデザインナイフです。
下記でデザインナイフの良いところをご紹介します。
刃先がしっかり固定されて動かない
模型制作はとても細かな箇所を工作しなければならないシーンが多々あります。
そんな時に刃先がグラグラして安定しないと仕上りが悪くなったり、最悪ケガにつながる場合もあります。
カッターナイフは刃の長さが長いので、構造上どうしても少し刃にグラツキが出てしまいますが、デザインナイフなら短い刃を持ち手先端のバイス部分でガッチリ掴んで動かないので、繊細な作業も安心してこなすことができます。
ペンの様に握れてグリップ力が良い
カッターナイフと違い、持ち手の部分が丸く細くできているので、ペンを握るような感覚で、しっかりとホールドすることができます。
ペンのように握れることで、繊細な工作でも作業がしやすくなります。
刃先に角度が付いて、作業がしやすい
デザインナイフはカッターナイフと違い刃先に角度が付いています。
一般的に売られている刃先は30°と45°が用意されており、使いやすい方をチョイスできます。
30°の方は先端がほそいので細かい箇所の切削をしたり、形状の複雑なデカールをカットしたりするのに適しています。
45°の方は垂直に力をかけやすいので、少し厚めのプラ板やプラ棒などを切断するのに適しています。
私は刃を付け替えるのが面倒なので、デザインナイフを2本用意して30°と45°の刃をそれぞれ装着しています。
おすすめのデザインナイフと替刃
[おすすめ1]安くて初めてのデザインナイフにおすすめ「NT デザインナイフ D-400P」
私が普段愛用しているのは、この「NT デザインナイフ D-400」です。
模型製作に出戻りした際に、「とりあえず一番安いデザインナイフでいいや」とAmazonで300円ほどで購入しましたが、刃先がぐらつくようなこともなく、軸も樹脂製で軽く作業しやすいので、今では手元に30°と45°の刃を付けた2本を置いて愛用しています。
後に昔仕事で使用していたアルミ削り出しの1000円くらいするデザインナイフがクローゼットから出てきましたが、全体の重さと重量バランスががこちらの方が使いやすく、結局安いこちらの方を使い続けています。
作業のしやすさはD-400もアルミの高価な軸もどちらも大差はないので、初めて模型製作をされる方などは、このデザインナイフで十分です。
先端にはしっかりとキャップが付属するので、安全に保管ができます。
また、替刃も30°と45°の刃がそれぞれ5枚ずつ付属しているので、模型1〜2個分ならこの替刃だけで作業できます。
もし模型をたくさん作るつもりだったり、切れ味が悪くなったらすぐ替えたい!という方は、別売りの替刃を一緒に購入しておきましょう。
1箱40枚入りなので、ちょっと切れ味が悪くなったらガンガン刃を交換することができます。
[おすすめ2]平刃や丸刃で作業の幅が広がる「タミヤ モデラーズナイフ PRO」
タミヤから発売されているモデラーズナイフPRO。
一般的なデザインナイフよりも刃が大きいため細部の切削には不向きですが、このナイフには3種類の替刃が用意されており、作業場面に応じて使い分けることができます。
写真のように[直線刃][曲線刃][平刃]の3種が付属しており、切削したい箇所の形状に合わせて刃を使い分けることができます。
平刃はスクレーパーのような形をしているので、平面のモールドを削り取ったりする時に重宝します。
よく駅のホームなどで清掃員の方が地面にへばりついたガムを剥がすのにスクレーバーを使用していますが、あんな感じのイメージで使用できます。
丸刃は刃先が丸いので、窪んだ曲面の内側の切削時に使いやすいです。
一般的なデザインナイフと刃先を比べてみました。
刃先が大きく、グリップもゴム製で太いため力がかけやすく、盛ったパテを切削したり、ガンプラの面出しで表面をガシガシ削ったりする時はこちらの方が効率がいいです。
反面、ゲート処理などの細かな作業では先に紹介したD-400くらいの一般的なデザインナイフの方が確実に作業がしやすいので、初めての模型づくりをされる方などは無理してアートナイフプロを選ぶ必要もないでしょう。
ガンプラなどを作り込みはじめると確実に役にたちますが、必要を感じてから揃えても遅くはありませんからね。
それからこのナイフはオルファ社のアートナイフプロのOEM製品なので、軸の色が黄色くなっただけの同じ商品が発売されています。
こちらの方が価格が安いので、より安く手に入れたい方はオルファ社のものを選ぶとよいでしょう。
ん?じゃあなぜ私はわざわざ高いタミヤ社製のものを使ってるのかって?
それは黒い方が、なんかカッコイイからです!!(`・ω・´)キリッ
カッターナイフ
ここまでデザインナイフ推しで記事を書いてきましたが、カッターナイフの紹介もしていきます。
人によってはカッターの方が使いやすい人もいる
道具の使い心地の感じやすさは、当然ながら人それぞれですので、カッターナイフの方が使いやすいと感じる方もいらっしゃると思います。
特にデザインナイフのように刃先に角度があると、逆に作業しずらいという方もいっらしゃるので、そういった方はカッターナイフで作業をしても、まったく問題ありません。
プロモデラーの方の制作動画などを見ていても、人によってはカッターを主に使用して作業をされている方もいらっしゃるので、カッターの方が使いやすい方は積極的にカッターナイフを使っていきましょう。
カッターを選ぶときは、持ち手が細いものを選ぶ
模型制作の作業は、細かな作業の連続ですので、なるべく小回りが利くように持ち手の細いものを選びましょう。
持ち手が太いカッターだと握りづらくて細かな作業には向きません。
大きなものを切る時はカッターナイフの方が便利!
例えば、ジオラマの土台で使うためのスタイロフォームを切断するなど、大きなものを切断する時は作りががっしりしたカッターナイフの方が安心して切断作業ができます。
こういった大きなものを切断することなんて、模型製作をはじめたばかりではないと思うので、ガッチリしたカッターナイフは無理して揃える必要はないと思います。