【MP4/5B 制作記 Part.2】カウルのサーフェイサーによる下地塗装 〜 ラッカーパテを使った修正(タミヤ・1/20・マクラーレンホンダ)
こんにちは!
コーヒー飲みながら塗料瓶を振ろうとしたら、コーヒー持ってる側の手を振って大惨事になったシノです。
今回は下処理が完了したカウルへのサフチェックと、ラッカーパテを使った仕上げ作業をしていくよ!
カウルの下処理は前回の記事で手順を紹介してるから、ぜひ一緒に読んでみてね!
【MP4/5B Part.1】カウルの表面処理・基本工作(タミヤ・1/20・マクラーレンホンダ)
目次
パーツを脱脂のために洗浄する
まずは塗装の前に台所用中性洗剤を使ってパーツに付いた油脂を落としていきます。
パーツの表面には、製造時に付いた離型剤や自分の手に付いていた油脂などが付着しています。
これを落とさずに塗装作業をすると塗料の食い付きが悪くなってしまうので、中性洗剤を使ってしっかりと脱脂をしておきます。
少量の中性洗剤を水、又はぬるま湯に溶かしパーツをいったん浸けます。
その後表面を軽く指でなぞったり、凹モールド部分は歯ブラシで軽く擦ったりして洗浄していきます。
凹モールド部分にはペーパーがけで出た粉が詰まっているので、これもしっかりと歯ブラシでかき出しておきます。
ただし、あまり力を入れすぎるとせっかく下処理したカウル表面にキズが入ってしまうこともあるので注意しましょう。
洗浄が一通り完了したら、流水でしっかりと洗剤分を流しておきます。
洗浄が完了したら、パーツをしっかりと乾燥させます。
圧力の高いコンプレッサーをお持ちの方は、圧縮空気で大きな水滴などを飛ばしてから乾燥させると短時間で乾燥させることができますよ!
油分が残っていると最悪塗装が剥げたりしちゃうこともあるから気をつけよう!
しっかり洗浄してトラブルを予防しないとね!
塗装の下準備 – 各パーツに持ち手をつける
カウル用の持ち手
メインカウルの持ち手には使い終わったスプレー缶を使用したいと思います。
このスプレー缶とカウルを両面テープで貼付けていきますが、カウルの内側は微妙な曲面になっており、一般的な薄手の両面テープだとしっかりと密着させることができず安定してカウルを固定することができません。
こんな時に役に立つのが、厚手で弾力のある両面テープです。
テープ自体に弾力があるので、接着面にアールや凸凹がある場合でもしっかりと密着させることができる優れものです。
厚手の両面テープはホームセンターの内装用の建築材コーナーや、自動車用品店の補修用品コーナーなどで手に入れることができるよ!
両面テープを缶スプレーの頭に貼り付けカウル内側の中央へ貼付ければ、太くて安定した持ち手の出来上がりです。

ウィング・翼端板パーツ用の持ち手
ウィング関連のパーツにはクリップ系の持ち手を付ける箇所が無いので、割り箸に両面テープを付けたものに固定します。
この方法ではパーツの片面しか塗装できないので、塗装の際は表面を塗装してしっかり乾燥させた後、パーツを裏返して固定し直してから裏面を塗装します。
パーツの固定に使用している両面テープは、先ほどカウルの固定で紹介した厚手のマスキングテープですが、この両面テープは糊の接着力が強くそのままパーツに貼付けるとパーツに糊成分が残ってしまう可能性があるため、間に模型用のマスキングテープを挟んで接着固定しています。
これでパーツに糊成分が残る心配も無く、安心してパーツを固定することができます。
ミラー・その他のパーツの持ち手
ミラーなどのパーツは文具用のクリップを使って固定しました。
クリップは100円ショップで売られているので安価に手に入れることができます。

塗装のために使用するサーフェイサーの準備
使用するのはきめの細かい1500番のサーフェイサー
私は普段ガンプラやその他の模型製作の際は、ほとんど1200番のサーフェイサーを使用していますが、今回はより平滑な面になるように1500番のサーフェイサーを使用する事にしました。


薄め液は通常とレベリングのハイブリッド
薄め液は通常のラッカー薄め液と、乾燥が遅くなる効果のあるレベリング薄め液の両方を使用します。
この記事を書いているのは1月の寒い時期なので、気温が高い時期に比べれば塗料の乾燥時間は穏やかですが、それでも空気が非常に乾燥している季節のため通常の薄め液のみだと乾燥が早すぎて平滑な塗装面が得られないことがあります。
レベリング薄め液には塗料の乾燥を遅らせる効果のあるリターダーが添加されているので、塗装後の塗料の乾燥を遅くし、表面張力で塗装面を平滑にする効果を得る事ができます。


塗料と薄め液の比率は1:2
サーフェイサーを薄める比率ですが、[サーフェイサー:1][通常薄め液:1][レベリング薄め液:1]の割合で薄めます。
つまりサーフェイサーと薄め液の比率は最終的に1:2になります。
薄め液を全てレベリング薄め液にしない理由は、そうすると乾燥に時間がかかりすぎてしまうので、半分を通常の薄め液にして乾燥時間を調節するためです。
薄める際はスペアボトルを使う
元々のサーフェイサーの瓶では薄め液を足すだけの容量がないため、薄める際には別にスペアボトルを用意して薄めます。
スペアボトルでまとめて薄めておけば、塗装後に余った場合でもそのまま蓋をして保存しておけるので便利です。

サーフェイサーをエアブラシで塗装する
塗装のための準備が整ったので、エアブラシでサーフェイサーを塗装していきます。
エアブラシは0.3mmのものを使い、エアー圧は0.08MPaで塗装しました。
塗装の手順として、まず最初はインテークの内側や、フロントウィングの入り組んだ箇所など塗料の乗りにくいところから先に塗装をしてきます。
それらの箇所に十分な塗料が乗ったら、今度は全体に満遍なくサーフェイサーを乗せていきます。
カウルのような面積の大きいパーツはニードルを全開近くまで開きぎみにして塗料がたっぷり出るようにして手早く全体に塗装するように心がけると平滑な塗装面が得やすくなります。
手早く全体を塗らないと先に塗装した箇所が順に乾いていって半乾きになり、そこに別の箇所を塗装している際に出るミストカスが乗ってしまうため、塗装面が梨地(表面が凸凹した状態)になってしまいます。
カウル全体を手早くしっとりさせるように塗装することで、全体を平滑な塗装面に保つことができます。
サーフェイサーを吹いて見えてくる整形ミスなどの問題点
サーフェイサーを吹き終わったカウルですが、サーフェイサーを塗装するまでは見えてこなかった整形ミスが、グレー単色になることで色々と見えてきました。
フロントウィングに深いキズ
フロントウィングには、恐らくパーティングライン処理の際にデザインナイフで付けてしまったであろう深い傷が2箇所ありました。
白地の時には気づかなかったんですが、やはりグレーサフを吹くとこういったミスがクッキリと現れます。
フロントウィング裏面
フロントウィングの裏面は元々押出しピン痕のオンパレードでしたが、ココは比較的奇麗に修正できました。
ただ数カ所ピンホールがまだ残っているので、ここも修正が必要です。
インテーク部分の合わせ目
インテーク部分は接着剤を多めに乗せてからペーパーがけをしただけの処理でしたが、ここは合わせ目が処理しきれていなかったようで、少し合わせ目が出てしまっています。
右サイドに縦型の大きなヒケ
カウル右サイドに縦に大きく伸びるヒケがありました。
こういった微妙なヒケは白い成形色のパーツだとなかなか見つけにくいので、サフを吹く事でしっかりと発見することができます。
ちなみに反対の左サイドにはヒケはありませんでした。
カウル後方の合わせ目
カウル後方の合わせ目はまだほんのり浮き出てしまっています。
ピンホールも点々とあるので、ここもパテでの再修正が必要です。
反対サイドも同じような状態だったので一緒に修正します。
リヤウィング裏の大きなヒケ
リヤウィング裏には横方向に大きなヒケが入っていました。
裏側なので組み立てればほとんど見えなくなってしまう箇所ではありますが、ココもパテを補填して修正したいと思います。
その他のパーツは、押出しピン痕の修正部分に何点かピンホールがあるくらいだったので、そのあたりもパテで再度修正していきます。
問題点が見つかった箇所を再修正していく
Mr.サーフェイサー500をパテ代わりにして修正していく
各問題箇所を修正するためにパテを盛っていきますが、今回はどの箇所も微細な補填で済みそうな箇所ばかりなので、Mr.サーフェイサー500、通称溶きパテを使用していきたいと思います。
このMr.サーフェイサー500は粒子の粗めなサーフェイサーで、表面の仕上げに使用する一般的なサーフェイサーと違いキズ埋め作用に特化したサーフェイサーになっています。
「溶きパテ」の名の通り、ラッカーパテを溶剤で薄めたような使い心地で、他の種類のパテよりも流動性が良いためピンホールのような小さな穴にもしっかり流し込めるので、細かな穴やキズの修正に威力を発揮します。
また、先に塗装したサーフェイサーと材質が同じなので、上から塗れば先に塗装したサーフェイサーとしっかり同化してくれるため、サフ吹き後のパーツへの食い付きが良く仕上げ作業もしやすくなります。

ヒケやピンホール部分に溶きパテ500を筆塗りする
溶きパテ500をピンホールやヒケのある箇所全てに筆塗りしていきます。
溶きパテ500は溶剤で薄めてしまうと乾燥後に大きく引けてしまうので、原液のまま修正箇所に塗り付けます。
ただし、粘度が高すぎてピンホール内に上手く補填できなそうな際は、少量のラッカー溶剤で薄めて粘度を調整するようにしましょう。
その他の箇所にも筆塗りでパテを乗せていきます。
ヒケの大きい箇所は一度塗ったパテが乾いた後に、2度目のパテを乗せて厚みを持たせています。
パテを乗せたら乾燥させるために丸1日以上放置します。
乾燥したパテをペーパーで削って整形する
盛ったパテがしっかりと乾燥したら、ペーパーをかけて面を出していきます。
ペーパーは400番〜1000番を使い仕上げていきますが、400番は目が粗いためキズが深くなりすぎてしまうので最初の荒削りで少しだけ使用するようにします。
その後600番で根気よく削っていきながら面を出し、600番であらかた面が出せたら800番→1000番の順で仕上げていきます。
今回は仕上げの作業で、ここで深い傷を入れてしまうとまたパテ盛りからやり直しになってしまうので、力を入れずに慎重に作業してきましょう。
塗装面の微細なゴミは1200番のペーパーで除去
カウルぐらいの大きい面積のパーツになると、どうしても塗装の際にゴミが混入してしまいます。
こういった微細なホコリなどは1200番のペーパーを軽くかけて塗装毎に除去しておきます。
ペーパーがけが終わったらブラシで削りカスを除去
ペーパーがけが全て完了したら表面にキズが付かないように注意しながら、柔らかめのブラシで削りカスをしっかりと除去しておきます。
もし油分の付着がある場合は、再度中性洗剤で洗浄するようにしてね!
ポテチとか食べながら作業したりすると油分が付いちゃったりするから、作業前にはしっかり手を洗うようにしないとね!
ペーパがけ完了
ペーパーがけが完了したら、サーフェイサーの再塗装に入っていきます。
以降はサフチェック→修正の繰り返し
削りカスをしっかりと除去したら、再度サーフェイサーを修正した箇所に吹いて仕上りを確認します。
サフを吹いてしっかりイメージ通り整形できていれば、下地作りは完了です。
もし上手く整形ができていなかった場合は[パテ盛り]→[ペーパーがけ]→[サフチェック]を繰り返して仕上げていきます。
今回は2回目のサフチェックでほんの少し仕上りが甘い箇所があったので、800番〜1200番のペーパーを軽くかけるだけで最後の仕上げは完了しました。
既に2回サフを吹いているので、微細な整形不備ならパテを盛らなくても目の細かいペーパーを優しく丁寧にかけるだけで、だいたいの箇所は仕上げることができました。
最後に3回目のサフを軽く乗せて最終確認をして、作業終了となりました。
ミストカスが乗って表面がザラザラしている時は、目の細かいスポンジヤスリをやさしくかけておく
サフ吹きの際のミストの吹き返りなどで、カウル表面にミストカスが乗ってしまいザラザラになっている場合は、目の細かなスポンジヤスリを優しくかければ平滑な面にある程度戻すことができます。
塗料が垂れるのを恐れてニードルを閉めぎみに塗装してしまうと、表面がザラザラになりやすくなってしまうので、サフを乗せる際はしっかりニードルを開けてどかっと塗料を出し、表面がしっとりツヤツヤになるよう意識して塗装しましょう。

下地塗装完了!
パテ盛りとペーパーの繰り返しで仕上げまで結構時間がかかったけど、なんとかしっかりした下地に仕上げることができました!
カーモデルの下地づくりって、けっこう手間がかかる作業なのね。
カーモデルはやっぱりボディーの仕上りが命だから、じっくりと時間をかけてしっかりと整形したいところだね!
次の記事では、いよいよカウルへの基本色塗装とマスキング作業に入っていきますので、ぜひ一緒に読んでみてね!
【MP4/5B 制作記 Part.3】マスキング作業 〜 フィニッシャーズMP4レッドを使用した基本塗装