塗装のはみ出しをコンパウンドを使ってレタッチする

ヘッダーイメージ

うぅぅぅ〜〜〜〜

ど、どうしたの?

もうすぐ塗装作業完了ってとこで、塗装がはみ出しちゃったんだ。。。

なんと!?それは大変ね!
修正できそうなの?

うん、なんとかね。。。
せっかくだから同じ失敗をしちゃった人のために、修正方法を解説していきます。

ラッカー塗料がはみだした!

はみ出した塗料
写真は現在製作中のHGズゴックですが、内部フレームを筆塗りしている時に誤って外装の部分に塗料がはみ出してしまいました。
使っていた塗料が水性アクリルやエナメルなら乾燥前に拭き取ったりして対応できますが、使っていたのがラッカー塗料だったので、今回はコンパウンドを使って塗料を除去していきます。

なんでこんなところに塗料がはみ出すのよ!

使っていた筆にアホ毛が出てて、それを引っかけちゃったんだ。。。
この箇所は構造的に内部を塗ってからマスキングして外装の順に塗装すべきだったんだけど、完全に手順ミスしました。。。

しっかり作業手順を考えながら進めないと、やっぱりトラブルのもとね。

使用する道具

タミヤコンパウンド(粗目)
今回はタミヤコンパウンドの(粗目)を使って塗料を削り落としてみます。
コンパウンドをかけるのに使う綿棒は100均のものでもいいですが、模型用のしっかりした綿棒の方が先端が固く、毛羽も出にくいので作業がしやすいです。

最初は[粗目]よりも番手が細かい[細目]を使って作業したけど、なかなか塗料が取れなくて途中で粗目に変更したんだ。
[粗目]といっても削れすぎるようなことはないから、こちらの方が作業効率がいいよ!

コンパウンドを使ってはみ出した塗料を除去する

コンパウンドで磨く
まずはコンパウンドを綿棒に少量つけて、塗料が付着した箇所を擦っていきます。
コンパウンドはたくさん付けすぎると、よけいな箇所に広がって後で除去するのが大変なので、少量付けては磨くを繰り返しながら作業を進めていきます。
磨く時のコツとしては力を入れずに綿棒を削りたい箇所の上で滑らせていれば、コンパウンドの研磨作用で徐々に塗料が薄くなっていきます。

力を入れず、地道に塗料を削っていくのがコツだよ!

私せっかちで、つい力を入れちゃうから気をつけなくちゃ。

流水で洗浄
はみ出した塗料が除去できたら、流水でコンパウンドを洗い流しておきます。
スジなどにコンパウンドが入り込んでいるときは、水で流しながら少し固めの筆を使って除去します。
歯ブラシだと固すぎてもとの塗装にキズが入る可能性があるので注意しましょう。

塗装が削れた箇所をピンポイントで上塗り塗装する

乾燥後のパーツ
写真の通りコンパウンドをかけた箇所はもとのレッドの塗装も削れてしまっています。
平面の箇所ならコンパウンドだけで修正できたかもしれませんが、今回のように角がある箇所ではどうしても角が出てしまいます。
ただ、コンパウンドで慎重に塗料を除去したおかげで、塗装の剥げは下地のサーフェイサーで止まってくれています。
これならもとのレッドを上塗りするだけで仕上げられるので、この部分にピンポイントで塗料を乗せていきます。

[手順1]塗料がかかりそうな箇所をマスキング

マスキング
これからエアブラシでレッドを上塗りしていきますが、エアーを当てる方向で塗料がかかってしまいそうな箇所をマスキングしておきます。

[手順2]少し薄めの塗料をつくる

今回は塗装が剥げた箇所をピンポイントで塗装するため、エアブラシのハンドピースをかなり近づけて塗装する必要があります。
塗料が多く出てしまうと、エアー圧によって塗料がパーツ上で流れてしまう危険があるために、ニードルの解放を抑えながら塗装しなければいけません。
ニードルの解放が小さい場合、塗料が濃すぎると出なかったり、出ても粒が大きくなってしまったりするので、塗料の流動性を高めるために粘度の低い薄めの塗料を準備しておきます。

薄めと言っても、どれくらい薄くすればいいの?

おいらはいつも通常の塗装の時には[塗料1:薄め液2]くらいの割合で塗装しているけど、今回は[塗料1:薄め液3〜4]くらいの割合で塗装していくよ。
薄めすぎると色がなかなか乗らなかったり、塗料が流れやすくなったりするから注意だよ!

[手順3]ニードルストッパーを調節して、塗料が出過ぎないようにしておく

ニードルストッパー
ダブルアクションのエアブラシには、だいたいどのモデルにもニードルストッパーが付いています。
これは一定以上ニードルが解放されないようにするものですが、このニードルストッパーを締め気味にして塗料が出過ぎないように調整します。
シングルアクションのエアブラシの場合は、ニードルの解放を小さめにしておき、塗料が出過ぎないように注意して調整しましょう。

試し吹き
ニードルの解放具合は、必ず試し吹きをしながら調整します。
コンプレッサーの圧力は、0.05MPaくらいで、塗装面からノズルまでの距離は3cmくらいまで近づけて吹きます。
試し吹きをしてみて、塗料が出ない、又は塗装面が荒くなる場合は、塗料が濃すぎるかエア圧が低すぎます。
逆に塗料が流れてしまう場合は、塗料が薄すぎるかエア圧が高すぎます。
理想としてはエアーによって塗料が乾燥しながらゆっくりと色が乗っていく感じに調整できれば、しっかりとピンポイントでの塗装ができますので、しっかりと試し吹きをして各部を調整しましょう。

いきなり本番だと塗料が流れたりして余計に修正が大変になるから必ず試し吹きするように!

加減が分からない時は、しっかり練習してから本塗装した方がよさそうね。

[手順4]塗料が流れないように注意しながら本吹きする

本塗装
しっかりとニードルとエア圧の調節ができたら、本塗装していきます。
練習時と同様に塗装したい箇所から3cmくらいの距離からゆっくり塗料を乗せていきます。
余計な箇所に塗料が乗ってしまわないようにエアーの流れる方向に注意しましょう。

なんとかリカバリー完了!

修正完了
塗料が乾燥したら、マスキングを剥がして作業完了です!
慎重に作業したおかげで、ほぼ元の状態に修正することができました!

なんとかキレイに修正できてよかったわね!

そうだね!
ある有名モデラーさんも「失敗してもあきらめない事が大切」って言ってたけど、本当にその通りだとつくづく思います。

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